YouTube配信のお知らせ

憲法・政治・経済など、幅広くYouTube(ユーチューブ)で発信しているデモクラシータイムスが、

新番組として、「金融被害の実態を告発する」シリーズを企画し、『銀行の罠』を配信しております。

この番組制作には当会も協力しております。

パソコンの検索画面に、「ユーチューブ銀行の罠」、または、下記URLをクリックして頂ければ、

番組がご覧いただけます。


vol.1       信じた銀行に父子2代身ぐるみ剥がされる話20181229

              https://www.youtube.com/watch?v=7wuQ7qaTmt0


vol.2       相続税対策のはずがローン地獄と競売にいきつく変額保険の話

              https://www.youtube.com/watch?v=mdI1S8t7bsE


vol.3       魔法がとけたかぼちゃの馬車 中堅サラリーマンに返済不可能な融資を銀行が押付けた話

              https://www.youtube.com/watch?v=Jp71v-Kfzqo


vol.4       信用保証は誰のため?銀行と信用保証協会が人の好い連帯保証人をしゃぶりつくす話        

               https://www.youtube.com/watch?v=W4O0BC56x6o


かぼちゃの馬車(番外編)

     https://www.youtube.com/watch?v=-sYC-zXqpyI


是非、ご覧いただき、また、多くの方にもお知らせいただきたいと思います。

どうぞご協力を、よろしくお願いいたします。

韓国主催第9回東アジア金融被害者交流集会

2018年10月18日から10月20日まで、韓国主催で第9回東アジア金融被害者交流集会が行われます。過剰債務や、金融サービサーの問題は、日本だけではなく、韓国や米国、他の国でも重要な問題と考え、連帯を求めるために、下記、日本からの報告書として提出いたしました。 

日本における金融サービサーの誕生とその後の変質

2018.10.18

                           銀行の貸し手責任を問う会事務局長   

                          椎名 麻紗枝(弁護士)

1.日本における金融サービサーの誕生

債権回収会社は、1998年に「債権管理回収業に関する特別措置法」(通称金融サービサー法)により誕生した。

バブル崩壊後、日本経済は、長期の不況が続き、金融機関の破綻も相次いだ。しかし、一方で、金融危機が大きなビジネスチャンスになる企業もある。その筆頭は、外資系「ハゲタカファンド」であった。

当時、アメリカの投資ファンドや金融機関は、約30兆円とも言われていた世界最大規模の日本の巨大不良債権マーケットへの参入を狙い、日本政府に不良債権を市場に放出することを強く求めていた。

日米首脳会議、あるいは次官級会議でも、常に不良債権処理が議題にのぼり、日本政府もアメリカ政府に対して、不良債権の迅速な処理を約束した。しかし、これは表向きで、内心は、消極的であった。金融機関はもちろん、監督官庁も、不良債権の実態が明らかになれば、自らの責任が追及されるのは不可避であると考えたからである。

日本には、不良債権処理の制度としては、1993年に都市銀行など162の民間金融機関が出資して設立した共同債権買取機構があった。しかし、同機構が買い取った担保不動産は、5年以内に売却できなかったときは金融機関が買い戻すというシステムになっていたため、ほとんどが市場に出回ることはなかった。

アメリカは、不良債権が市場に放出されないことにいらだち、具体的な要求を突きつけるようになった。それを受けて議員立法により成立したのが、「債権管理回収業に関する特別措置法」(金融サービサー法)である。

この法案提出の中心となったのは、自民党の「土地・債権流動化促進特別調査会」(後に「金融再生トータルプラン推進特別調査会」に改称)であるが、同調査会は、アメリカで、不良債権問題の処理策のひとつとして行われていた金融サービサー制度を日本に導入し、日本の不良債権処理の迅速化に役立てるというものであったが、本当の狙いは、「不良債権を市場に放出させること」にあった。

 

2.金融サービサーの高利潤性

言うまでもなく、この不良債権市場に真っ先に参入したのは、外資系投資ファンドである。外資系ファンドの債権回収の手口は、従来の不良債権回収の手法を超えるものであった。

アメリカで不良債権処理のビジネスモデルを確立した外資系ファンドにとっては、日本の不良債権を市場に放出させてしまえば、あとは彼らの独擅場である。彼らは、第一に不良債権を買い取って企業乗っ取りに専念した。M&Aを仕掛けるにしても、株式の取得よりも、不良債権の買取の方がはるかにコストが安くすむ。バブル期に金融機関からそそのかされて銀行から巨額な借金をして設備投資をして、経営危機に陥っている旅館、ホテル、ゴルフ場などが外資系ファンドから狙われた。外資系ファンドは、あらゆる企業の不良債権を安値で買い取り、巧みにこれらの企業の債務整理をした上転売して、巨額な利益を得た。その利益の移転先はケイマン諸島を中心としたタックスヘイブンであった。

外資系企業は、日本の不良債権市場を「宝の山」と呼んでいた。これを見た日本の信販会社、消費者金融などさまざまな業種の会社が、不良債権ビジネスの高利潤性に注目して、続々と債権回収業務に参入していく。同法施行後、法務大臣の許可を受けた債権回収会社は、当初、27社、取り扱い件数も約15万件、取り扱い債権額は、7兆円だったが、8年後には、100社、累計取り扱い件数も5627万件、累計取り扱い債権額も223兆円に増大した。

そして、現在は、累計取り扱い件数1億5899件、累計取り扱い債権額410、9兆円、累積回収額48兆1979億円にのぼり、巨大市場に成長した。

 

3.債権回収会社の出資母体

債権回収会社は、その出資母体別に区分けすると、「外資系」「銀行系」「ノンバンク(信販、貸金系)」「独立系」さらに「整理回収機構」の5に分けられる。整理回収機構は、預金保険機構が全株出資している国策債権回収会社である。

これらの債権回収会社の債権回収の手口には、それぞれ特徴がある。外資系は、前述したように、大口不良債権を買い取ってM&Aを仕掛けることであり、消費者金融は、小口債権の取立である。一方、整理回収機構は、国策債権回収会社として、債権回収会社とは一線を画しているようにも見えるが、実際には、迅速な不良債処理を名目に、民事執行法の改悪や破産法の運用など不良債権回収をリードしてきたものであり、整理回収機構抜きに、日本の不良債権回収問題は語れない。整理回収機構が債権回収でどれだけ利益をあげていたかが、2005年に、衆議院予算委員会で明かになった。整理回収機構は、無担保債権を一律1000円で6342件買い取り、112億円回収しているのである。わずか、600万円の元手で、112億円もの収益を上げたのである。尋常な手法で回収できる金額ではない。このように、高額の債権回収をはかる整理回収機構の手法は、他の民間債権回収会社にとってのガイドラインとなっている。

 

4.債権回収のフロントランナーとしての整理回収機構

整理回収機構は、株式会社ではあるが、全株預金保険機構が出資している公営企業である。また整理回収機構は、「銀行」と位置づけられているが、「預金」「貸出」も行わず、もっぱら不良債権回収が業務の中核である。整理回収機構は、回収指針として、「契約の拘束性の追求」「人間の尊厳の確保」「企業再生の追求」をうたっている。整理回収機構は、債権回収会社のモデルとなることが期待されているものである。

しかし、実際には、整理回収機構が行っているのは、債務者、連帯保証人に対する情け容赦のない回収である。債務者や連帯保証人に資力がなくても、関係企業や親族に資産があるばあいには、「法人格否認」や「詐害行為」を理由にして、訴訟を提起する。裁判所は、整理回収機構の言い分は、ほとんど例外なく鵜呑みにする。裁判所が、整理回収機構の言い分を鵜呑みにする背景には、裁判官が、整理回収機の公益性を高いと信じていることに加え、整理回収機構の上部組織である預金保険機構の役員や職員には、法務省や裁判所からの出向者が多数いることもある。

私は、私の関わった整理回収機構が、老舗旅館に「企業再生」を名目に破産申立をした事件で、整理回収機構との具体的な癒着関係を目の当たりにした。

整理回収機構が老舗旅館に行った債権者破産申立による企業再生という、それまで前例がなかった。整理回収機構は、この事件を突破口にして、全国に、企業再生を名目にした債権者破産申立をして、莫大な債権回収をはかる予定であった。破産手続より事業譲渡したほうが、回収利益は比較にならない。外資系投資ファンドを真似たものである。

それには、この事件が最適であった。当該地裁の所長が、新破産法の法案審議の際に、最高裁判所長官代理として国会答弁をしており、ミスター破産法といわれていた。彼は、破産実務をリードする裁判官としての自負のもとに、破産手続におけるリーディングケースづくりに意欲的だった。当該所長自身も、「炎天下に生魚を裂く」ように迅速にやらないと企業は腐ってしまうという考えのもとに、迅速に当該所長は事業譲渡をすすめるため、所長自ら、破産事件の審理に立ち会い、債務者の尋問を行った。つまり、4人の裁判官で審理をしたのだ。

この時点では、私は、債務者の代理人ではなかったが、破産開始決定の後に、代理人となって、上記の事実が判明した。地裁は、所長が審理に立ち会うことを認めてしまったことから、当方からの、所長は、どういう立場で立ち会ったのかという質問に対しては、「書記官補助」という意味不明に終始していた。その後、マスコミの取材もあり、当該弁護士会も、臨時総会を開催し、所長に対する懲戒処分をするよう最高裁に申し入れをすることが決議されるにいたり、最高裁も同所長に対し口頭の戒告を行った。しかし、それでもなお、裁判所は、この旅館の事業譲渡先として、整理回収機構の社長の顧問先企業を許可している。

なお、債務者を恐れさせているのは、整理回収機構の、破産法違反、執行妨害などを理由とした刑事事件の告発である。整理回収機構が借り手に対して刑事告発した事件227件(平成11年4月~平成30年3月。それ以前の住宅金融債権管理機構、整理回収銀行の刑事告発を合わせると318件)のうち約99パーセントが、起訴され、有罪に持ち込まれている。

しかも、否認していると、長期間逮捕勾留されているケースが多い。それにより、海外へ移動された資産の大半も、取り戻しに成功している。

 

5.債権回収会社の変質

2008年頃から、銀行の不良債権処理が一段落し、取り扱い不良債権が減少する中で、現在は、債権回収会社は、86社に減少している。日本の不良債権市場を「宝の山」と呼んでいた外資系債権回収会社は、ほとんど大口不良債権は出尽くしてしまったと考え、債権回収業務から撤退している。

一方、消費者金融系の債権回収会社は、貸金業では、利息制限法により、投下資本の回収に上限規制があり、かつ過払い金の返還問題もあるのに対し、債権回収業には、投下資本の上限規制がない。そこで、高利潤性のある債権回収業務に活路を見いだそうとしている。そのために、対象債権を銀行の不良債権だけではなく、未納税金、未払いの水道、電気、ガス料金、未返還奨学金などの債権にも拡大するため、これまで「貸金債権」とあったのを「金銭債権」とするなど金融サービサー法の改正に向けて全力を傾注している。今年の金融サービサー協会の本年の賀詞交換会には、与野党の国会議員が多数参加している。これら参加している議員の中には、利息制限法の改悪に賛同している議員の顔も多く見られ、このことからも、現在は、金融サービサー協会は、消費者金融系の債権回収会社が主導し、与野党への国会議員への働きかけを強めていると思われる。

「銀行の貸し手責任を問う会」は、対象債権の拡大に反対し、なによりも金融サービサー地獄の解消のために、まずは、債権回収会社に対して、投下資本の回収に上限規制を設けること、また売掛金、給与などの債権についての差押を禁止することなどの改正を要求している。そして、マスコミはじめ、法務省、金融庁、与党、野党の国会議員に、実例をもとにした金融サービサー地獄の実態を伝える活動を展開した。それも一因となって、法案は、前国会に上程されなかったが、しかし、金融サービサー協会は、法案の実現を悲願としているので、これで諦めたわけではない。次期国会が正念場となると考えて、多くの人々に法案の危険性を訴え、反対運動を広げなければならない。

 

6.結語、

私は、1996年に「銀行の貸し手責任を問う会」が発足して以来、同会の事務局長をしているが、この間、いかに債務者の権利がないがしろにされたかを痛感し、「債務者の権利」の確立を求めてきた。「消費者の権利」は、さまざまな積み重ねによって、確立されてきているが、消費者概念から除外される「銀行被害者」、「中小企業の経営」にとって、債務者の権利を確立する必要性は、非常に大きいと考える。とりわけ、金融資本は、グローバルであり、国際的にも連携する必要性を痛感する。

2009年に、サンフランシスコで、アメリカのサブプライムの被害者の救済活動をしている弁護士に会って、サブプライム被害の実態を聞いてきましたが、そのときに、世界的規模で、被害者およびこれを支援する人たちが手をつないで、債務者の権利を主張し、運動を広げる必要性をさらにつよく感じました。

ぜひ、本日の集会に参加された皆様にも国際的な「債務者の権利学会」の設立を視野にいれた討議をしていただくことを希望するものである。

                                                                                                                                                          以上

異議あり!金融サービサー法改正

2018年7月3日デモクラシータイムスで事務局長が金融サービサー法改正についての発言をしました。是非ご覧ください。
【山田厚史のここが聞きたい】&原口一博衆院議員&椎名麻紗枝弁護士2018/07/03収録 >対談内容は↓のURLをクリックしてご覧下さい。

2015・10・1 エディカス東京にて集会

《集会のご案内》    

                      銀行の貸し手責任を問う会

                       事務局長・弁護士 椎 名 麻 紗 枝

                        東京都千代田区永田町2-17-10

                                     サンハイム永田町404・501

                                    TEL 03-3581-3912  FAX 03-3593-0394

残暑の候 夏の暑さもやっと峠を越えましたが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。

永田町では、安保法制の廃棄を求める若い青年や母親がデモに参加する姿が多く見られ、これまでにはなかった風景です。安倍内閣の憲法を蹂躙する強権的な政治手法が、国民一人一人の政治への自覚を高めたとすれば、皮肉なことです。この国民の圧倒的な声に押されて、野党が統一すれば、一強多弱の政治状況は変わります。私たちも、この流れを推し勧め、私たちの要求が実現されるよう、運動を強めたいと考えます。そこで下記のとおり、10月1日(木)午後6時半より、千代田区麹町のエディカス東京にて、今後の会の活動についての意見交換会を行うことといたしました。 その中で、一昨々年、皆様から寄せられた意見広告募金の使途についても、皆様と検討したいと思います。

当会は1996年から、バブル期における銀行の押しつけ過剰融資の被害者救済と、銀行融資についての法的規制の立法化を求めて活動してきましたが、バブル崩壊から20年以上が経過した現在、銀行債務者の状況は大きく変化してきております。

当会に寄せられる相談も、個人債務者よりは、過剰債務の負担に苦しんでいる中小企業が格段に増加しております。当会は、銀行の貸し手責任を追及するという原点のもとに、中小企業の過剰債務の軽減に向けた活動を行っております。今年6月には、「中小企業等金融円滑化法の出口戦略を語る」と題して、亀井静香元金融担当大臣と原口一博元総務担当大臣の対談を企画いたしました。

意見交換会では、このような状況を踏まえ、会の活動の方向性を含めて、銀行の貸し手責任の法規制に向けた活動を、いかに効率的に進めるかについても議論したいと考えております。

お忙しいこととは存じますが、何卒万障お繰り合わせのうえ、ご友人・知人をお誘いいただき、 ご参加

くださいますようご案内申しあげます。

会場と配布資料の関係で、集会にご参加

いただける場合は、事前に、事務所まで、

TEL03-3581-3912、または

FAX03-3593-0394にてお知らせいただけ

ましたら有難く存じます。

地図URL

 http://www.mapion.co.jp/phonebook/M04101/13101/0000ZKET_001pa/


皆様のご参加をお待ちしています。

不順な気候でもございますので、どうぞ

ご自愛くださいますよう、お祈り申し上げます。

 

       記

10月1日(木) 午後6時半~8時半迄

千代田区全国教育文化会館B1

エディカス東京(千代田区二番町12-1)  

   最寄駅 有楽町線麹町歩2分           

TEL03-5210-3511   参加費500円                             

新書の紹介「新市民伝」NPOを担う人々

「新市民伝」は、朝日新聞経済部記者で、2009年に亡くなった辻陽明氏の遺志を継いだ同僚・友人・知人・家族による新市民伝制作プロジェクトにより、今年2015年6月に刊行されましたので、ご紹介いたします。当会「銀行の貸し手責任を問う会」も14頁に紹介されました。                                

               

                                           


《新市民伝制作プロジェクトHPより》

Amazonや書店にて「在庫切れ」や「お取扱いしておりません」の状況が続いており、大変ご迷惑をおかけしています。
★新市民伝制作プロジェクトまで直接メールをいただきますと、送料無料で直接発送いたします。 ★お名前、お届け先住所、冊数を明記の上、以下にメールをお送りください。
shinshiminden@yahoo.co.jp
どうぞよろしくお願いいたします。

本書について

本書の特徴は「多様性」です。10年20年という長期に渡り、様々な分野でNPO活動に奮闘してきた新市民、それを応援してきた人たち、市民セクターの制度作りに関わってきた人々。これら年齢、性別、背景の違う多様な人々の歩みや思い、提言を、ルポ、記事、寄稿などの形で、以下の4部構成でまとめています。
第一部では、さまざまな形のNPOの現場を訪ねて、じっくり話を聞いてきました。 第二部では、NPOやボランティアを支援してきた人たちから、NPOの意義や役割をお聞きしました。第三部では、新市民の活動や団体の紹介に加えて、次のような興味深いデータも加えました。元職業、目指す社会の姿、影響を受けた書籍等、応援している新市民 団体の拠点や法人形態、年間活動費(13年度実績)、有給職員数、連絡先 さらに、10年20年と活動を続けてきて、今、15年に何を思うかもお聞きしています。 第四部は、市民セクターを日本社会に定着させるための制度について、長期にわたり直接関わってこられた方々からの寄稿です。東日本大震災での活動や、若者を中心に生まれている新しい潮流も紹介します。 索引には、本書に登場する全団体を挙げました。
興味のあるNPOがきっと見つかると思います。本書はどこから読んでいただいてもかまいません。さっと開いたそのページから、NPOについて知り、考える一歩をぜひ踏み出してください。

目次: 

第1部 「新市民」の現場を歩く
第2部 NPOとともに生きて
第3部 「新市民」群像ーNPOの土台を築いた人々

子供 まちづくり 福祉 環境 海外支援 市民保護 NPO支援

第4部 NPOの歩みと日本社会ー創世記から発展期へ

 


2015年6月22日「中小企業等円滑化法の出口戦略を語る」集会開催

「中小企業等円滑化法の出口戦略を語る」集会

        ~中小企業の元気を取り戻す~

                            椎名麻紗枝法律事務所気付

                             『銀行の貸し手責任を問う会』

                             事務局長 椎名麻紗枝 

                       〒100-0014

                                              東京都千代田区永田町2-17-10-404501 

                             TEL 03-3581-3912

                             FAX   03-3593-0394

 この度、2015年6月22日(月)6時半より8時半まで、御茶ノ水の、駿河台記念館に於いて、

元金融担当大臣亀井静香先生、元総務大臣原口一博先生をお迎えして「中小企業等円滑化法の出口戦略を語る」と題した集会を開催いたしました。

昨年、当会で行いました集会「銀行の過剰債務を身の丈に合った借金に軽減し、日本の中小企業・個人を元気に!」の第二弾の企画です。

 経済産業省や金融庁は、金融円滑化法失効後の出口戦略を発表していますが、いずれも、経営危機にある中小企業を助けるものではあ

りません。

 むしろ、見込みのない企業はつぶし、利益の見込める企業だけ、民間投資家など買い取らせて企業再生をはかろうとするものです。

そこで、中小企業等金融円滑化法の生みの親でもある亀井静香元金融担当大臣に、中小企業・個人が、元気になる「出口戦略」を、

また、原口議員には、中小企業が、懸命の努力をしているのに、その見えないトンネルから、何故抜け出せないのか、その背景と改善案について語っていただきました。

 デモクラTV代表であり、経済ジャーナリストである、山田厚史氏がコーディネーターをつとめてくださいました。

亀井議員は、その著書「安倍晋三よ、国滅ぼしたもうことなかれ」の中で書かれておられるように、

「外来資本主義」に日本の優良な企業がのみこまれかねない状況にあることを、大変危惧しております。

 また、亀井議員は、現在の日本の閉塞した政治経済状況に風穴をあけるため、「根っこの会」を組織して活動しておられます。

集会では、中小企業経営者の方にも現状報告をしていただき、集会に参加された方からは、両議員のお話をうかがって、

「勇気や元気をもらった」「普段聞けない貴重なお話を伺えて良かった」との声が寄せられました。


  

                                                             《 御挨拶 》

                                                                                                『銀行の貸し手責任を問う会』

                                                                        事務局長 弁護士 椎名麻紗枝

本日は、銀行の貸し手責任を問う会主催の集会にお集まりいただきましてありがとうございます。

 昨年10月に、「銀行の過剰債務を身の丈にあった借金に軽減し、日本の中小企業、個人を元気に」を開催し、経済学者の植草一秀先生には、私たちの「銀行の過剰債務の軽減を身の丈の借金に軽減する」が正当で合理的な要求であることを、理論的にも裏付けるお話をしていただきました。

 本日の会は、私たち国民の要求を具体的に政治に実現する道筋を亀井静香先生(元金融担当大臣)と原口一博先生(元総務大臣)に語っていただくというものです。

亀井静香先生は、金融担当大臣に就任された際、「債務者の視点に立った金融行政を」という、これまでの金融行政の転換を指導された方として、私たちの記憶に鮮明に残っています。そして、なによりも、中小企業等金融円滑化法の生みの親でもあります。また、原口一博先生は、総務大臣として、地域主権の改革と地域経済の活性化を提唱され、奮闘された方です。

そして、今、亀井先生が代表、原口先生が代表代行の「地域活性化協議会」(通称「根っこの会」)は、政治の流れを大きく変えると全国の大きな注目と期待を集めております。まさに、現実の政治を動かす大きな力をもっておられるお二人は、「中小企業・個人の元気を取り戻すために、その方策」を語っていただくのに、最適な方です。

 亀井先生も、原口先生も、国会での公務に加え、「根っこの会」の活動に超多忙でおられる中、本日の銀行の貸し手責任を問う会の主催の集会においでいただきましたことに深く感謝申し上げます。

なお、集会のコーデイネーターは、デモクラTV代表であり、経済ジャーナリストの山田厚史氏です。亀井先生と原口先生のお話の前に、経営者の方お二人から、円滑化法後の金融機関の対応の実態や地域の金融機関による企業再生の実態について、ご報告をいただくことになっております。

  開会に先立ち、今回、私たちが、この集会を企画した趣旨と目的についてご説明したいと思います。

 私たち「銀行の貸し手責任を問う会」は、1996年に会発足以来、バブル期の銀行による押しつけ提案融資の被害者の救済と銀行融資についての法的規制を求める活動に取り組んできました。

会は、血の涙が流れる不良債権回収の現場に立ち会っている経験から、金融被害者を生み出さないために、当面、8の課題(パンフレット 頁参照)が実現することが不可欠であると考え、行政や国会に働きかけてきました。

 2009年に、亀井静香先生が金融担当大臣に就任され、中小企業等金融円滑化法の施行や、第三者連帯保証の原則禁止など金融債務者の負担を軽減するための措置も検討されるなど、私たちも、ようやく金融行政も転換されるかと期待しておりました。しかし、その後の政治的逆風で、その流れは、逆戻りしてしまいました。1昨年3月末で円滑化法が終了したのを機に、政府は、淘汰される企業と存続する企業に選別する方向に舵を切りました。

金融機関としては、中小企業等金融円滑化法で、これまで返済を待ってやっていたのだというつもりでしょう。だから、金融機関は、円滑化法が昨年3月末で失効した以上は、できるだけ不良債権は早く、かつ多額に回収するための方策をとろうと必死です。 しかし、 金融機関は、 これまで国から公的資金の投入や課税の優遇措置を受けてきたのです。その経済的利益は、中小企業や個人の債務返済条件を変更してやったくらいで、棒引きできるものではないでしょう。サブプライムローンの問題が大問題になったアメリカでは、アメリカ連邦議会で、2008年6月に、それを救済するHousing and Economic Recovery Act of 2008(HOPE for Homeowner Act of 2008)を制定しています。同法は、サブプライムローンを政府がスポンサーのファニーメイやフレデイマックが時価で金融機関から買取、債務者には買い取った金額で新たにローンを設定するというものです。

日本の整理回収機構の仕組みと類似していますが、整理回収機構は、時価で買い取る点は同じでも、債務者に対する関係では、債務は軽減されず、また整理回収機構は、法的には銀行という位置づけをされているのに、貸出は一切行わず、もっぱら回収業務を行う点が大きな違いです。

私が2009年2月に、同法の適用例についてアメリカに調査に行きましたが、残念なことに、同法の適用例は皆無に等しい状態でした。 そこで、何故この法律の適用がないのか、サブプライムローン問題に取り組んでいる弁護士に尋ねましたところ、金融機関には、債権を時価で売却するメリットがないからだということでした。

  私は、それを聞いて、そうであれば、金融機関も不良債権を抱えているメリットはないのだから、債権を売却したら金融機関にはご褒美を与えたら、金融機関も喜んで債権を売却するのではないかと考え、その思いつきをアメリカの弁護士に伝えたところ、「よい考えだね」 と賛同してくれました。 

そして、私が帰国して数日後の2月20日に、私の思いつきと同じ内容の政策が、オバマ大統領から発表されました。

オバマ大統領は、750億ドル(約7兆円)を投入し、 これを金融機関への「報奨金」として、金融機関の不良債権の売却を促す、というものです。そのニュースは日本でも大きく報道されました。

 私たちの会は、これを受けて、2009年の衆議院の総選挙にあたり、全国の立候補者にアンケート調査しました。アンケートに回答してくれた人の大半が、日本にも、2008年法のような立法は、必要だと回答しています。その後、民主党政権が誕生し、同法の導入を検討しようという原口先生をはじめとする国会議員によって、「中小企業等金融債務者保護推進議員連盟」が発足しました。しかし、その後、民主党政権は自民党政権にとってかわられ、立法化は頓挫してしまいました。

前回の集会で、植草一秀先生は、2008年6月アメリカのサブプライムローン債務者救済法は、1989年に、ラテンアメリカ諸国の対外債務危機解決として、当時のブレイデイ米国財務長官が打ち出したブレイデイ・プランをモデルにしたものであることを説明されました。また、日本の中小企業の過剰債務の問題は、政策の失敗によるものが大きいこと、したがって、過剰債務を軽減する債務者救済法は、経済合理性にもかなうものであるとの説明でした。

ところで、政府は、金融円滑化法の出口戦略を発表しています。そのひとつが、昨年5月に成立した「株式会社地域経済活性化支援機構法の一部改正」です。同法は、金融機関主導で、見込のない企業はつぶし、利益の見込める企業だけ、民間投資家などに買い取らせて、「企業再生」をはかろうとする動きを、さらに加速させるものです。

 このまま行けば、亀井先生がご著書「晋三よ、国滅ぼしたもうことなかれ」で警告されているとおり、日本の企業は、外来資本主義にのっとられかねません。しかし、日本の経済を支えているのは、日本の企業の99、7パーセントを占める中小企業です。中小企業が、つぶされ、あるいはハゲタカファンドなどに乗っ取られて、どうして日本の経済が活性化するでしょうか。

  本日は、中小企業・地域・個人が元気になるための道筋について、亀井静香先生と原口一博先生からうかがえるものと、大きな期待をしております。どうぞ、よろしくお願いいたします。                                

《会場内写真》

                                       

 写真提供 宮原一雄氏 白井一氏

2014年10月4日 植草一秀先生講演

2014年10月4日に南青山会館で行われた「銀行の過剰債務を身の丈にあった借金へ軽減し、日本の中小企業・個人を元気に!」集会の映像を公開しました。

《集会報告》

銀行の過剰債務を身の丈にあった借金に軽減し、日本の中小企業・個人を元気に

                            10・4講演と報告集会を終えて展望新たに

  

銀行の貸し手責任を問う会事務局長  椎名麻紗枝弁護士


 2014年10月4日は、台風の襲来を前にして必ずしもよい天候ではありませんでした。

にもかかわらず、北は北海道、南は沖縄から、100名近い参加者が駆けつけました。また、お忙しいなか、衆議院議員小宮山泰子先生も

かけつけてくださり、激励のお言葉をいただきました。


 今回集会は、「銀行の過剰債務を身の丈にあった借金に軽減し、日本の中小企業、個人を元気に」をテーマに企画しました。

 第一部では、3人の中小企業の経営者から実情報告。社長退任の強要など金融機関の強引な経営介入の実態や自己保身を優先した驚くばかりの金融機関の身勝手な実態がリアルに報告されました。

3人の報告を聞いて、あらためて、金融機関は、晴れた日には傘を貸し、雨の日に傘を貸さないという言葉を思い出した参加者は多かったと思います。

 参加者の中には、自分の経験が思い出されたのでしょう。涙を浮かべて聞いている方も見られました。金融機関は、中小企業等金融円滑化法で、これまで返済を待ってやっていたのだというつもりでしょう。だから、金融機関は、円滑化法が、2013年3月末で失効した以上は、 できるだけ不良債権は早く、かつ多額に回収するための方策をとろうと必死なのでしょう。しかし、金融機関は、これまで、国から公的資金の投入や課税の優遇措置を受けてきたのです。その経済的利益は、中小企業や個人の債務返済条件を変更してやったくらいで、棒引きできるものではないでしょう。

 いうまでもなく、個人は、憲法において、国政において最大限の人権が尊重されなければならない存在として位置づけられているのに対し、企業には人権はなく、したがって、憲法の保障の対象ではありません。しかし、中小企業も、日本の経済さらに、広く日本の社会に大きな役割を果たしてきました。そして、国民の多くも、今後もその役割は果たしてもらいたいと考えていると思い、そうであるならば、中小企業が、企業再建のために、過剰債務の軽減を要求してもよいのではないでしょうか。

 しかし、要求が、要求にとどまっていたのではあまり意味がありません。

 要求は、権利に高めなければなりません。

 要求が、権利に高められるためには、社会的正当性と普遍性がなければなりません。

 

 

 

 

第二部で、植草一秀先生にご講演いただいた趣旨は、まさに、中小企業の過剰債務を軽減して、中小企業を再建するのは、経済的合理性があり、社会的支持を得られるものであることを理論的に論拠づけいただくためでした。

植草先生は、中小企業の過剰債務は、政策の失敗によるものであることが大きいこと、さらに、2008年6月にアメリカでできたサブプライムローン債務者救済法は1989年にラテンアメリカ諸国の対外債務危機解決として、 当時のブレイデイ米国財務長官が打ち出したブレイデイ・プランをモデルにしたものであることを説明されました。

サブプライムローン債務者救済法も、より普遍性のあるものだということを知り、過剰債務を軽減することは経済合理性にもかなうものであると確信を深めることができました。植草先生のお話を聞いた多くの参加者の感想は、中小企業の過剰債務は、政策の失敗に起因するものであり、われわれの要求は、社会の支持を得られるものであることを確信し、元気づけられたというものでした。

問題は、これからです。要求を権利に高める上で、社会的妥当性と普遍性の裏付が必要ですが、植草先生のお話で、その確信をもつことができました。しかし、権利が、真に権利となるためには、権利が、実現することが担保されていなければなりません。

権利の実現が担保されていなければ、白い紙に書いた黒い文字でしかないからです。

当会は、そのための方策として、中小企業、個人の過剰債務問題を解決するための立法と同時にそれを具体的に実現するための金融機関との間で債務軽減額を調整をする片面的拘束性をもった金融紛争解決機構の設置を求めています。そして、立法化への一歩として、「中小企業等金融債務者保護推進議員連盟」の再建を要請します。同時に、中小企業の衆議院規則56条の3の予備的調査の要請をお願いします。予備的調査は、40名以上の衆議院議員により、衆議院議長に、行政ならびに民間機関への調査を要請するものです。憲法62条の議院の国政調査権にもとづくものです。

予備的調査の目的は、中小企業、個人の過剰債務解消に向けた立法事実の実態調査にあります。今回の予備的調査により、同法の必要性と有益性が明かになれば、立法化に大きな弾みになることは間違いありません。

当会の当面の目標は、40人以上の衆議院議員の賛同を得て、予備的調査を実現し、さらに「中小企業等金融債務者保護推進議院連盟」が再建されるよう働きかけを強めたいと思います。ぜひ、多くの皆様のご協力をお願いいたします。

本日の集会は、中小企業、個人の過剰債務問題の解消に向けた大きな第一歩になることを願っています。   

                                                                                                                                     (写真撮影 白井一氏)              

 

2014・10・4集会の資料

2014年10月4日に南青山会館で行われた「銀行の過剰債務を身の丈にあった借金へ軽減し、日本の中小企業・個人を元気に!」集会の資料をダウンロードできるようにしました。


http://kashitesekinin.net/data/141004.pdf

怒りの手記第5集ー整理回収機構、金融サービサーの被害体験集ー 原稿募集

怒りの手記第5集-整理回収機構、金融サービサーの被害体験集-

原稿執筆のお願い

                 銀行の貸し手責任を問う会

                              事務局長 弁護士 椎名麻紗枝

 「銀行の貸し手責任を問う会」では、これまで銀行被害者の皆様から、銀行被害の切実な声を集めた「怒りの手記」を第4集まで発行してまいりました。

ご承知のように、銀行は「不良債権処理」として、担保物件を競売に付したあと、無担保債権となった債権を、整理回収機構はじめ、金融サービサー(債権回収会社)に売却し、これを譲りうけた整理回収機構、金融サービサーは、過酷な債権取り立てを行っております。とりわけ、連帯保証人の自宅に対する競売申立、給与の差し押さえ、破産申立など、連帯保証人に対する過酷な取り立てが社会問題化しております。

金融サービサー法においても、業者の利益を擁護するのではなく、被害者の立場をまもるための法案が提案されるべきではないでしょうか。

 もちろん、法案されても、立法化への道は、そう容易ではありません。多くの国会議員に動いていただくには、皆様が体験された整理回収機構、金融サービサーからの回収の実体を知っていただくことも重要です。その一助とすべく、怒りの手記第5集(整理回収機構、金融サービサーの被害体験集)を発行したいと存じます。

 以下の要綱で、多くの方から手記をお寄せいただけますようお願いいたします。

                  記

 1.テーマ         整理回収機構、金融サービサーの被害の実態

   (できれば銀行名や債権回収会社の具体的な名前もいれて下さい)

 2.字数          1000字~2000字程度 (20字×50行~100行 縦書)

 3.お名前         (匿名をご希望の方はその旨ご記入下さい)

 5.原稿応募方法     メール(Word)

   貸し手責任を問う会 アドレス   kasitese@io.ocn.ne.jp

 6.編集について

   いただいた原稿を編集させていただくことがあります。

  最終原稿については、執筆者にご了解をいただいたうえで掲載致しますので、ご了承いただけます

    ようお願いいたします。

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