さる5月7日、当会は「不当競売等の無法回収を許さない銀行被害者の会」とともに金融庁に申し入れをし、その後、衆・参国会議員会館にて要請を行いました。
「不当競売等の無法回収を許さない銀行被害者の会」は、バブル崩壊後、銀行が、詐欺的手法で巨額な融資を押しつけた債務者、連帯保証人らに対して、銀行は、自らの非を棚上げして、不動産に対する競売、預金差押など全財産に対して恣に無法な債権回収を強行してきていることに抗議し、これを許さないために立ち上がった銀行被害者によって組織されている会です。
最近の金融機関は、バブルの再来とも思われる現象が生じています。
金融機関は、バブル崩壊後約30年経過し、バブルの反省も忘れ、長引くゼロ金利政策のもとで収益激減の穴埋めのために、無理な融資や無法回収を増大しています。
スルガ銀行がその筆頭にあげられますが、中小金融機関に限られません。
日本を代表する三菱UFJ銀行も、年14パーセントの遅延損害金を得たいために、子会社のダイヤモンド信用保証会社に、元本を全額支払った変額保険の被害者の自宅、アパートに競売を申立てさせているのです。
そもそも、三菱銀行は、バブル時、融資量が大手5行で最下位に落ちたため、これを挽回するために、個人に対し、相続税の不安を煽り、融資一体型変額保険を大量に売りまくり、そのために多くの被害者を生み出しました。変額保険問題は、三菱銀行歴史上の大きな汚点として、三菱銀行は決して忘れてはならないものです。
それを再び、性懲りもせず、三菱UFJ銀行は、変額保険の被害者に牙をむいたのです。
このような自行の利益のためには、債務者を犠牲にすることを厭わないという三菱UFJ銀行の姿勢は、金融庁の提唱する「顧客本位の原則」とは、対極にあるものです。
そこで、三菱銀行変額保険被害者遺族Sさんも、先日、金融庁に対し、三菱UFJ銀行の不当競売について、調査、ならびに競売を取り下げさせるよう、権限発動を求める申立を行いました。
しかし、昨今の金融行政は、消極姿勢が目立ち、十分な調査がなされないのではないかということが懸念されます。
当会が、これまで、金融機関の不当な債権回収について、金融庁に調査などを求めました折に、金融庁は、個別の案件には関われないとか、金融庁は、民民の争いは監督する立場にはないという口実のもとに、銀行をかばいだてしてきたからです。
しかし、銀行の業務を監督するのが、金融庁の重要な任務です。
銀行の主要な業務は、顧客との個別取引であり、個別ではない取引などありません。また銀行の取引先は、一般には、民間人か民間企業です。金融庁が、個別の案件だから関われないというのは、金融庁の監督責任の放棄です。
昨今の金融行政は、亀井静香元金融担当大臣が言われた「債務者の視点に立った金融行政」から著しく後退しているように思われます。
そもそも、バブル期に巨額な不良債権の山が築かれたのは、大蔵省の銀行に対する監督を放棄していたからです。金融庁は、その反省を忘れたとしか思えません。
当会は、金融庁が、銀行をかばい立てするのではなく、銀行に対して、厳しい態度で臨むことこそ、金融機関の自立性、健全性の向上につながると考えます。
債務者からの訴えが、たとえ一例であっても、それは、氷山の一角です。昨今のスルガ銀行などの銀行不祥事が相次いだことを契機に、金融庁の消極的な監督姿勢について、批判が向けられていますが、スルガ銀行の問題融資については、すでに前から金融庁に訴えは届いていたはずです。
金融庁が、それらの訴えに耳を貸し、十分な調査をされれば、スルガ銀行の抱える問題が明らかになるはずです。その結果、被害者が救済されるだけではなく、また、被害の多発も防げた筈であり、ひいては、スルガ銀行自体も重大な信頼失墜を避けられたものです。
あらためて、当会は、金融庁には、「債務者の視点に立った金融行政」という原点に立ち返り、金融機関の、債務者を犠牲にした債権回収業務については、厳しく指導監督されるよう要請しました。
そして、以下の要請書を提出しております。金融庁の厳正なる指導を願っております。
要 請 書
金融庁長官 遠藤俊英 殿
2019年5月7日
銀行の貸し手責任を問う会
事務局長 弁護士 椎名麻紗枝
不当競売等の無法回収を許さない銀行被害者の会
代表 小堤忠夫
連絡先 〒100-0014
東京都千代田区永田町2-17-10
サンハイム永田町404、501号
椎名麻紗枝法律事務所気付
TEL 03-3581-3912
FAX 03-3593-0394
「銀行の貸し手責任を問う会」は、1996年に会発足以来、バブル期の銀行による押しつけ提案融資の被害者の救済と銀行融資についての法的規制を求める活動に取り組んでいる市民団体です。
また、「不当競売等の無法回収を許さない銀行被害者の会」は、バブル崩壊後、銀行が、詐欺的手法で巨額な融資を押しつけた債務者、連帯保証人らに対して、銀行は、自らの非を棚上げして、不動産に対する競売、預金差押など全財産に対して恣に無法な債権回収を強行してきていることに抗議し、これを許さないために立ち上がった銀行被害者によって組織されている会です。
ところで、バブル崩壊後、約30年経過し、銀行の不良債権処理はほぼ終了したとされる一方、債務者の権利保護については、なおざりにされてきました。
連帯保証については、債権法の改正にともない、今後は改善されることになりましたが、既に連帯保証人にさせられてしまっている人たちは、従前と変わりなく、厳しい取立を受けています。
さらに、消費者被害の温床といわれる民訴法228条4項(印鑑による本人意思の推定規定)についても、いまもって廃止されておりません。
金融庁は、平成12年の金融商品販売法の立法化にあたり、銀行融資についても、いずれホップ、ステップ、ジャンプで、同法の対象にすると約束されましたが、まだ実現にはいたっておりません。その他、銀行融資についての法的整備はまったく手つかずのままです。
現在、スルガ銀行の例に端的なとおり、金融機関に、バブルの再来とも思われる現象が、生じています。長引くゼロ金利政策のもとで、収益が激減している金融機関は、バブル期の反省も忘れ、収益拡大のために、無理な融資や無法回収を増大しています。しかし、これらは、中小金融機関に限りません。
日本を代表する三菱UFJ銀行も、債権回収の極大化のために、元本は全額支払った変額保険の被害者の遺族に、約定利息の受領を拒否し、14パーセントの遅延損害金を得るために、被害者の自宅アパートに競売を申立てきているのです。
自行の利益のためには、債務者を犠牲にすることを厭わないという三菱銀行の姿勢は、金融庁の提唱する「顧客本位の原則」とは、対極にあるものです。
三菱銀行変額保険被害者遺族も、先日、金融庁に対し、三菱銀行の不当競売について、調査および是正措置を求めて、権限発動の申し立てをしております。
しかし、昨今の金融行政は、消極姿勢が目立ち、十分な調査がなされないのではないかということが懸念されます。
私たちも、これまで、金融機関の不当な債権回収について、金融庁に調査などを求めました折に、金融庁は、個別の案件には関われないとか、金融庁は、民民の争いは監督する立場にはないという口実のもとに、銀行をかばいだてしてきたからです。
そもそも、銀行の業務を監督するのが、金融庁の重要な任務ではありませんか。
銀行の主要な業務は、顧客との個別取引であり、個別ではない取引などありません。また銀行の取引先は、一般には、民間人か民間企業です。金融庁が、個別の案件だから関われないというのは、金融庁の監督責任の放棄です。
昨今の金融行政は、亀井静香元金融担当大臣が言われた「債務者の視点に立った金融行政」から著しく後退しているように思われます。
そもそも、バブル期に巨額な不良債権の山が築かれたのは、大蔵省の銀行に対する監督を放棄していたからではありませんか。金融庁は、その反省を忘れたのですか。
私たちは、金融庁が、銀行をかばい立てするのではなく、銀行に対して、厳しい態度で臨むことこそ、金融機関の自立性、健全性の向上につながると考えます。
債務者からの訴えが、たとえ1例であっても、それは、氷山の一角なのです。昨今のスルガ銀行などの銀行不祥事が相次いだことを契機に、金融庁の消極的な監督姿勢について、批判が向けられていますが、スルガ銀行の問題融資については、すでに前から金融庁に訴えは届いていたはずです。
金融庁が、それらの訴えに耳を貸し、十分な調査をされれば、スルガ銀行の抱える問題が明かになるはずです。その結果、被害者が救済されるだけではなく、スルガ銀行自体も、重大な信頼失墜を避けられ、ひいては金融システムへの信頼にもつながります。
今こそ、金融庁には、「債務者の視点に立った金融行政」という原点に立ち返っていただき、金融機関の債務者を犠牲にした債権回収業務については、きびしく指導監督されるよう要請するものです。
【国会議員の先生方への要請文】
要 請 書
拝啓 深緑の候ご清祥のことと存じます。
先生には、日頃、私どもの活動をご理解いただき、ご支援いただいておりますことに心から感謝申し上げます。
「銀行の貸し手責任を問う会」は、1996年に会発足以来、バブル期の銀行による押しつけ提案融資の被害者の救済と銀行融資についての法的規制を求める活動に取り組んでまいりました。
また、「不当競売等の無法回収を許さない銀行被害者の会」は、銀行が、バブル時に詐欺的手法で巨額な融資を押しつけた被害者、連帯保証人らに対して、バブル崩壊後、銀行は、自らの非を棚上げして、債務者、連帯保証人らの不動産に対する競売、預金差押などの全財産に対して無法な債権回収を強行してきていることに抗議し、これを許さないために立ち上がった銀行被害者によって組織されている会です。
ところで、バブル崩壊後、約30年経過し、銀行の不良債権処理はほぼ終わったとされる一方、債務者の権利保護についてはなおざりにされてきました。
連帯保証については、債権法の改正にともない、今後改善されることになりましたが、既に連帯保証人とされてしまっている人たちは、従前どおり厳しい取立を受けています。
また、消費者被害の温床といわれる民訴法228条4項(印鑑による本人意思の推定規定)は、いまもって廃止されておりません。その他、銀行融資についての法的整備はまったく手つかずのままです。
現在、スルガ銀行の例に端的なとおり、金融機関に、バブルの再来とも思われる現象が、生じています。長引くゼロ金利政策のもとで、収益が激減している金融機関は、バブル期の反省も忘れ、収益拡大のために、無理な融資や無法回収を増大しています。
しかし、これらは、中小金融機関に限りません。
日本を代表する三菱UFJ銀行も、債権回収の極大化のために、元本は全額支払った変額保険の被害者の遺族に、約定利息の受領を拒否し、14パーセントの遅延損害金を得るために、被害者の自宅アパートに競売を申立てきているのです。
それに対し、三菱銀行変額保険被害者遺族は、金融庁に対し、三菱銀行の不当競売について、調査および是正措置を求めて、権限発動の申し立てをしております。三菱UFJ銀行が、自行の利益拡大のためには、個人を犠牲にすることを厭わないという姿勢は、金融庁の指導する「顧客本位の原則」の対極にあるものです。
しかし、昨今の金融庁の監督姿勢は、きわめて消極的であり、三菱銀行に対して、十分な調査が行われるか懸念されます。
これまで、私たちは、金融庁に金融機関の不当な債権回収について調査などを求めましたが、金融庁の最近の対応は、個別の案件には関われないとか、金融庁は、民民の争いは監督する立場にはないという口実のもとに、銀行をかばい立てしてきたからです。
そもそも、銀行の業務の監督は、金融庁の重要な職務です。銀行の主要な業務は、顧客との個別取引であり、個別取引ではない取引などあり得ません。また、銀行の取引先は、一般に民間人か民間企業です。金融庁が、個別の案件だから関われないというのは、金融庁の監督責任放棄です。
債務者からの訴えが、たとえ1例であっても、それは、氷山の一角です。昨今、スルガ銀行が問題になっておりますが、金融庁には、既にずいぶん前から、スルガ銀行に対する訴えは届いていたはずです。
金融庁が、それらの訴えに耳を貸し、十分な調査をしていれば、スルガ銀行の抱える問題が明かになっていたはずです。その結果、被害者が救済されるだけではなく、被害の多発も防げ、ひいてはスルガ銀行自体も、重大な信頼失墜を避けられたに違いありません。
昨今の金融行政は、亀井静香元金融担当大臣が言われた「債務者の視点に立った金融行政」から著しく後退しているように思われます。
私たちは、金融庁が、銀行をかばい立てするのではなく、銀行に対して、厳しい態度で臨むことこそ、金融機関の自立性、健全性の向上につながると考えます。
そこで、本日、私たちは、金融庁に対して、「債務者の視点に立った融行政」という原点に立ち返り、金融機関の債務者を犠牲にした債権回収業務についてきびしく指導監督されるよう要請してまいりました。
先生におかれましては、国政調査権を有する国会で、金融行政のあり方を追及されると同時に、銀行被害者が理不尽な債権回収によって、生命、生活が脅かされることのないようご尽力いただけますようお願いするものです。 敬具