中小企業等金融債務者保護推進議員連盟総会報告 融資一体型変額保険被害者の訴え

中小企業等金融債務者保護推進議員連盟 総会報告

皆さま、お変わりなくお過ごしでしょうか。

コロナ禍で、しばらく開かれなかった中小企業等金融債務者保護推進議員連盟の総会が、2023年6月6日(火)5:00~6:00 に開催されました。

金融庁や経済産業省側からの報告の後、融資一体型変額保険被害者の方、ロシア侵攻を口実に、多大な損害を受けた海外投資ファンド会社の方が現況報告者として出席されました。

 ご承知のように、融資一体型変額保険は、バブル期の銀行の貸し手責任の最たるものです。不動産の評価額が高騰していた折りに、銀行から相続税対策として巨額な融資を受けて変額保険に加入することを勧められ、その後のバブル崩壊によって、巨額な借金だけが残り、銀行への借金を保険金で支払うために、自殺者も多数出ました。そして、それから30年以上経った現在も、苦しんでおられる変額保険被害者、家族が多数います。

 銀行からの言葉を信じたばかりに、融資一体型変額保険に入った家族は、長期間、重い負債に苦しむのです。このようなリスキーな保険を勧めた銀行に、責任がまったく無いのでしょうか。でも、もし裁判を起こしたところで、99%銀行側の勝訴で終わります。裁判所は銀行側の言い分を信じて、加入した側の責任だけを追及し、支払い義務を押し付けますが、はたしてそれは正しいのでしょうか。

下記、融資一体型変額保険被害者の訴えを掲載します。お名前は控えますが、現在も不安な毎日を過ごしておられる方々の訴えです。

【融資一体型変額保険被害者の訴え】

私は、都内に娘と二人で暮らしております。今年92歳になります。

相続税対策のために変額保険に加入したことを、大変悔やんでおります。

自分が生きている限り、債務が増え続けることから、早くこの苦しみから逃れたいとも思いますが、もし、私に何かあれば、娘は自宅も無くなり、債務も残るので、娘のことを考えると、死んでも死にきれません。

1、夫は大きな会社の社長を長年務め、自宅も、都内で不動産評価の高い場所にあったことから、平成2年、夫は銀行の勧めで相続税対策目的に多額な融資を受け、その際に、夫婦で億を超える変額保険に入りました。そして、娘は私たちの連帯保証人となりました。利息については、変額保険の運用利益で払える、と言う銀行の言葉に夫は誘われました。しかし、すぐにバブルが崩壊したことから、今日まで一度も運用利益は出ていません。かえって、大きな損失となったのです。

平成20年に夫が亡くなった際、夫の保険金を返済にあてましたが、借金は半分以上残り、さらに金利が加算されるため、私の死亡時に、私の保険金を返済にまわしても借金が残ります。銀行は自宅を競売し、我々の全ての財産の開示を強要し、返済を迫ってきております。このままでは、我々は住む家を失うことになり、そして自己破産を余儀なくされます。

2、変額保険は、投資信託類似の商品です。後から聞いたのですが、変額保険の本場アメリカでは、長い時間をかけて変額保険についての適用法令を検討した結果、証券法の適用を決定したということです。

一方、日本では、証券業法を適用すべきだという意見を無視して、3か月のスピード審査で、保険とは名ばかりの投資であるにも関わらず、保険として認可されました。

そのために、今日の多数の変額保険被害者が生まれたのです。

3、ちょうど、日本はバブル期にあり、貸出先の獲得に躍起だった銀行は、相続税対策をセールストークに、終身一時払い融資一体型変額保険を生保と組んで大量に販売しました。不利益を被る可能性についての説明も、あまりなかったと思います。

バブル崩壊後、変額保険を解約しても多額な借金が残ってしまうため、保険契約者みずからが、その保険金で借金を返済するため、多数の自殺者まで出ました。

4,私たち一家も、融資一体型変額保険の契約をしたばかりに、この30年あまり、多額な借金の重みから解放されたことはありません。

借りた者ばかりに責任があるのでしょうか。貸した銀行にも、責任はある筈です。

今、三菱銀行は、融資をした変額保険金だけではなく、もともと夫婦で長年苦労して持ちこたえた自宅まで、まさに私たちの身ぐるみを剥ぐ回収をしようとしています。

このままでは、すべてを失ってしまいます。あまりに不公正だと思います。

どうぞ、皆様のお力をお貸しいただけますように心からお願いいたします。