金融サービサー法改正 NO!!

 【金融サービサー法改正への危険な動き】

 金融サービサー法は、銀行のバブル期の不良債権処理のために、平成10年に時限立法で成立したものですが、この立法の経過は、かねてから日本の巨大な不良債権市場の開放を求めていた米国の金融業界の意向を受け、自民党の「土地、債権流動化促進特別調査会」(後に「金融再生トータルプラン推進特別調査会」)が、米国で不良債権処理に活用されていた「金融サービサー制度」を日本に導入することが提言されたことに始まっています。

これは、銀行にとって不良債権の処理が進むと同時に、投資ファンドにとっても、不良債権市場の門戸が開放されれば、ビジネスチャンスが得られ、さらに経営破綻し失業した銀行員の雇用や役人の天下り先の受け皿になる、いわば一石三鳥の施策と考えられ、最終的には、弁護士法の特例として、立法化されたものです。この法律には、法務省と弁護士出身の各党の議員が密接に関わっています。

貸金業者には利息制限法により、投下資本の回収に上限規制があるのに対し、金融サービサーには、投下資本の回収に上限規制がありません。

たとえ、いわゆるポンカス債権としてタダ同然で買い取ったばあいでも、14パーセントの遅延損害金も含め、契約書どおりの支払いを請求できるのです。 

そのため、過払い金で経営逼迫した貸金業者が、金融サービサーに転業した例も多数あります。

しかも、金融サービサー法には、債権回収についての具体的規制がありません。

主たる債務者だけではなく、連帯保証人に対して、預金、給与、売上金の差し押さえをし、生活破綻、会社倒産に至ったケースは、枚挙にいとまがありません。

金融サービサー法は、欠陥が多すぎる上に、すでにバブル期の不良債権処理という法の目的は達したのですから、廃止されるべきものです。

 

 しかし、金融サービサー業界は、不良債権が減少してきたところから、その業域を貸金債権から、金銭債権に拡大する野望を持ち、今回の法改正を実現しようとしているものです。自民党は、税や公共料金などの公的債権は除外することも提案しているとのことですが、同法の改正に問題がないのであれば、これらを除外する理由はない筈です。同法の弊害の大きさを知っているからこその提案だと思います。

今、債務者は、コロナ不況などによる経済不況が続く中で、借金を払えず、生活破綻にいこまれている人たちが大勢おります。今差し迫った問題は、金融サービサーのための業域拡大のための法改正ではなく、是非、債務返済に苦しんでいる人たちにご協力をお願い申し上げます。


《金融サービサー法の改正を推進しようとしている与野党の議員たち》

先日、貸金業法違反で起訴され、議員辞職した公明党の遠山清彦元議員の顔も、

 

【全国サービサー協会の2020年賀詞交歓会記事】

https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200122_02.html


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