銀行の貸し手責任を問う会会報 No.6
 


 

●司法改革のあり方を問う
 (日独裁判官物語)をみて
 ───法政大学名誉教授 野田正穂

 いま、日本では司法制度の改革が問題になっている。国民の間では、以前から裁判は金と時間がかかるわりには頼りにならないというのが定評となっており、聞くところによると、裁判官は人並みの生活もできないほど多忙で、なり手も少ないという。他方、変額保険など金融被害の裁判をみると、判決の多くがあまりにも銀行・保険会社よりであり、いったい日本の司法は市民の権利をまもり、弱者を保護するという正義の立場にたってるのかと強い疑問をいだかざるをえない。
  それだけに、記録映画「日 独 裁判官物語」を見て、目からウロコが落ちるような感銘をうけた。なお、片桐直樹監督のこの映画は三千人のカンパを核に、弁護士、学者、市民団体の協力で製作されたという。
 さて、この映画の冒頭には、日本とドイツの裁判官が裁判所に登庁する大変印象的なシーンが紹介されている。日本の最高裁の裁判官はお抱えの運転手つきの公用車に乗り、衛視の挙手の敬礼のもとに最高裁の建物に迎えられるのに対して、片やドイツの連邦憲法裁判所(日本の最高裁に相当する)の裁判官は何とヘルメットをかぶりスクーターに乗って登庁する、しかも出迎えるものは誰もいない。私は、スクーターに乗った男を新聞配達か何かと見間違えたくらいである。
  このシーンに象徴されているように、日本とドイツとでは、日本の裁判所は閉鎖的で官僚的、ドイツの裁判所は開放的で庶民的、とそのありようがあまりにも違いすぎるし、とくに日本の裁判官は市民としての権利もなく、仕事に忙殺され、社会や市民意識からかけ離れているのを見せつけられ、思わず暗澹たる気持ちに襲われた。
 あとで知ったことは、ドイツでは第二次大戦後に徹底した司法の民主的改革がおこなわれたこと、その根底には司法がナチスに加担したことへの痛切な反省があったこと、であった。ドイツの裁判官が組合を組織したり政治活動をしたりと、市民としての権利を保証されているのも、なるほどとうなづくことができた。
他方、ドイツと同じ第二次大戦の敗戦国である日本では、戦後、司法界が侵略戦争へ協力したことの根本的な反省はなく、また戦争責任を問われることもなく、今日に至っている。しかも、最高裁が裁判官の人事、給与ポスト(任地)を握る「官僚独裁司法」が実情となっているのである。
裁判所や裁判官は本来、憲法にうたわれている国民の権利、なによりも基本的人権を擁護する憲法の番人だといわれている。しかし、金融被害の裁判などが如実に示しているように、裁判所や裁判官は市民の目線で問題をとらえ、国民の人権を守る立場にたっているかといえば、実態は建前から著しくかけはなれているといわざるをえない。
 たとえば、最近のいくつかの世論調査をみると、朝日新聞のそれでは「銀行を信用していない」という回答が四十一lにも達しており、中央調査社のそれでは、十年前にくらべて「信頼できなくなった」のが警察についで銀行が二番目。もっとも、この調査から、銀行は十年前には信頼できたのかというと決してそうではなく、バブルの時のあの過剰融資や乱脈経営を見ただけでも明らかであろう。ただ、当時はその実態が表面 化しなかったため、多くの国民は銀行を信頼し、銀行はその信頼を利用し悪用して、数多くの金融被害を生み出したと見るべきであろう。
 しかし、裁判所や裁判官はなお、銀行は人をだましたりしない、悪いことはしないとの前提に立ち、あるいはそのような先入観にとらわれて、金融被害の現実に目を開こうとはしないのである。
 現在問題になっている司法改革制度は、はたして閉鎖的で官僚的な日本の裁判のあり方にメスを入れ、国民の権利を守り弱者の保護に役立つ方向を目指しているのであろうか。財界の動きなどを見ると、どうもそうとはいえない面 がかいま見える。たとえば、規制緩和・自由化が進むなかで、国の内外ではビジネスをめぐる争いが増える傾向にあり、これらの争いを迅速に処理するためには「使いやすく頼りがいのある」司法制度が必要だとの主張が財界からなされている。このような財界の主張に従う限り、司法制度の根本的で民主的な改革はとても望めそうもない。法曹人口の増加や裁判の短期化とひきかえに司法の閉鎖性や官僚性が温存される危険性もなしとはしないのである。
  「日独裁判官物語」は日本の司法制度のゆがみを白日のもとにさらすと同時に、裁判所を市民の立場に立った開かれたものにするという民主的な改革の方向を示している。ドイツでできることが、日本でできないはずはないのである。今、全国各地で自主上映運動が進められているが、運動の輪をさらに大きく広げなければ、と痛感したしだいである。

 



●日本の裁判これでいいの!
 4.14シンポジュウム

  ──変額保険被害者の会 T・K

 融資付き変額保険の裁判で、全面棄却の判決が下るたび、裁判官に対して腹立ちが増す。「日本の裁判これでいいの」に出席し、日独裁判官物語の映画を見て、ドイツでは、裁判官は個人の基本的人権、生存権を犯されたら裁判官が守ってやらなければという、誇りと使命感を持っており、敗戦、官僚司法制度、経済大国と同じでありながら、日本とは大違いであると感じた。
 公正で勇気ある判決をするため、裁判官は裁判官である前に一市民として、自分が他の市民と同じ世界で生きているという連帯感を非常に大切にし、一方では裁判官の独立に対する強い使命感のもとに、外からの影響を受けず、判決は自らの認識に基づいて下すべきとし、昇進等の手段でもって裁判官の判決の内容に影響を及ぼす事は、大いに批判の的とされるとのことである。ドイツでは裁判官もナチスドイツに協力し、ユダヤ人の迫害に荷担した過ちを痛切に反省しその反省のうえに立って市民、とりわけ社会的弱者のための司法を今日作りあげている。
 日本ではどうだろう。日本では戦後裁判官の戦争責任を問われたこともなく従って、反省どころか戦前と同じ権威主義がはびこっている。
 日本の裁判官は国民を守ってやるという気概はなく、国を守ってやらなければというエリート官僚意識と保身のために、最高裁判所の方ばかり向いて判断する。
 それに反した独自の判断で判決を下したならば、すぐさま人事権でもって、圧力を掛けられるからである。
 裁判官は、感受性と想像力が豊かでなければならないのに、それぞれの裁判官に、自分の書いた判決が、その後その人たちにどう影響し、どのようになったか、また、自分の審理を受けた人々が裁判について、どんな印象をもったか知らないし、知ろうともしない。国民の要求すら、知ろうともせず、高いところから見下ろして、国民の期待にこたえる裁判ができる筈もない。
 裁判官は、自分たちの日々の糧が、国民の税金であることを忘れていはしないか。「司法の民主主義を確立するのは主権者である。」とナレーターは締めくくっているが、私たちも裁判官を批評する世論を起こし、どんどん名指しで声をあげ裁判所の改革を求めていかなければと、今回のシムポジウムで大いに賛同しました。国民の人権を保障する裁判所。それは、自由で独立した裁判官なくしては、国民の権利は守られないのだから。





●金融商品販売法成立
  ──消費者問題研究者 楠本くに代

  金融商品販売法が五月二十三日に成立した。全九条よりなる小さな法律である。規制のポイントは二つある。第一は金融商品販売業者の説明義務と説明義務違反に対する損害賠償責任の法廷である。対象となる金融商品は預貯金、信託、保険、有価証券を幅広く対象とし、今後登場する新しい商品については政令で定めるとされている。説明すべき事項は、リスク等に係わる重要事項である。重要事項の内容は、元本欠損が生じるおそれがある旨及び元本欠損を生じる要因、すなわち、
(1)金利、通貨の価値、相場の変動、
(2)業者の業務または財産の状況の変化等である。説明義務違反があった場合、元本欠損が損害賠償と推定される。
 規制のポイントの第二は、業者は適合性の原則と勧誘の方法及び時間帯について方針を策定し公表せよということである。
 確かに従来の業法上の規則では、個別消費者の救済は単なる反射的・間接的なものにとどまり、民事上の効果 をもたらさなかった。しかし、最も消費者にとって困難な、そしてこれまで勝利への壁となっていた説明義務違反があったことに対する立証責任は、従来と変わらず消費者の側にある。法の実効性を確保するには、立証責任に関し何らかの工夫をするとか、あるいは英国のようにオンブズマン等訴訟外紛争解決機関を設け、調査権限等を付与し、消費者の立証に過度に頼らなくとも法を機能させ得るシステムを備えるべきであろう。
 重要事項の内容と理解の程度についても問題がある。衆参両議院の委員会での大蔵省の答弁では、余り細かく項目を規定すると、形式的にそれだけ満たしていればいいというようなことになり、かえって消費者の保護に欠けることになる等の説明があったが、逆に委員からは今のような規定のしかただと、「この商品は金利や通 貨や相場の変動で元本われすることがあります。」等の一般的な説明をすれば義務を尽くしたといわれてしまうのではないかとの疑義が出されていた。その通 りだと思う。政省令でよほど内容をつめないと逆に業者を免責する条文になってしまうのではないかと思う。理解の程度については、条文では触れられていないが、契約当事者である消費者が理解できる程度の説明を義務づけるべきだろう。金融審議会の中間整理でも、提供された情報についての利用者側の理解の有無という意味を含めて考えるべきではないかとの議論もあったようだ。この点も政省令で明記すべきだろう。
 さらに勧誘の適正化を自主基準に委ねているが、適合性の原則や、訪問販売、電話勧誘の規制は販売、勧誘ルールのコアーである。自主規制ではなく法により罰則や民事上の効果 まで定めるべきものと思う。この他にも、郵貯関係や商品先物が適用対象になっていないのはあらゆる金融商品の取引を包括的に保護するという法の建前からはずれる。
 金融サービス法のほんの一部である今回の金融商品販売法にもこれだけの問題がある。金融審議会最終報告で金融サービス法の全体像が示されると思うが、金融サービス法制定のプロセスで上記の問題解決が併せて図らなければならない。おりしも六月十四日英国の金融サービス・市場法が成立した。消費者の概念を中核に据え、規制・監督・監視・エンフォースメントの権限を金融サービス庁にあたえ、オンブズマンと補償スキームを設置した自由市場の消費者保護法制度のありかたを英国から学ばなければならない。

 




●予備的調査要請書

一.件名 銀行、生保など金融機関の行き過ぎた営業活動による個人債務者、契約者の被害に関する予備的調査要請
二.予備的調査の目的
三.予備的調査の具体的内容
1.生保各社が、積み立て年金保険及び変額保険の一括払い保険料を金融機関のローンによって取り扱う ことになった経緯について
(1)右取り扱いについて生保各社から大蔵省に対して承認申請もしくは届け出がなされた時、及び承認 申請の内容もしくは届け出の内容(提携金融機関名、ローンの金利、ローンの返済期間と返済方法、質疑設定・抵当権設定などの担保設定の条件)
・・・「日産生命保険相互会社社長より大蔵省銀行局保険部長 に宛てた承認申請書」参照(資料1)
(2)右提携について、昭和六二年から半年ごとに生保各社から大蔵省へ報告された、生保各社の正式商 品名、提携先商品名、提携先機関名、発売年月日、各生保の提携先金融機関ごとの昭和六二年以降直近ま での月別 の販売件数と契約高
・・・「提携商品の取り扱いについて」「現在販売している提携商品一覧」参 照(資料2)
(3)生保各社の支店が行った提携・連携について、支店ごとに、その正式商品名、提携先商品名、提携 先機関名、発売年月日、提携先ごとの発売以降直近までの月別 の販売件数と契約高
(4)変額保険に関して、行政に寄せられた苦情の件数と主な内容(国民生活センターおよび各大蔵  財務務局ごとに分けて)
(5)平成五年五月に大蔵省が、生保各社に寄せられた変額保険に関する苦情の件数と内容について生保 各社から報告された内容(苦情件数と内容)
・・「大蔵省保険一課のヒアリング報告書」参照(資料3)

 2.融資額五〇〇万円以上の大型フリーローンの販売に関して
(1)大型フリーローンの販売に関して、各銀行から大蔵省へ報告された時期と報告の内容(正式商品名、 商品の内容、販売年月日)
(2)右ローンについての、大型フリーローン取り扱い開始以降現在までの、各銀行の月別 ・資金使途別 の販売件数と契約高
 3.大型フリーローンの被害に関して
(1)変額保険に関して、昭和六一年から現在までの死亡保険金支払い件数と金額、また、そのうち自殺 を原因とする支払いの件数と金額(一時払いの件数金額と、それ以外の払込方法の件数と金額)
(2)現時点で、各銀行が保有している大型フリーローンの契約件数と融資残高
(3)大型フリーローンに関して、各銀行の系列保証会社が代位弁済している件数と金額
(4)大型フリーローンに関して、各銀行の月別の競売申し立て件数(銀行本体によるものと、系列保証 会社によるものとに分けて)
(5)大型フリーローンに関して、東京地裁ならびに首都圏一都七県の地裁における裁判の件数(各銀行 ごと、原告・被告の別 、裁判提起の時期、資金使途の別)と、裁判の結果
 4.変額保険に関して大蔵省の認可指導にかんするもの
(1)変額保険の認可にあたり、保険審議会で審議されたときの議事録、および、審議会に提出されたレ ポート、文献
(2)一時払い変額保険についての大蔵省の調査の時期と調査の内容(各生保の月別 の一時払い変額保険 の契約件数および契約高、ならびに、各銀行の変額保険の保険料に融資した月別 の契約件数と保険料およ びその利息や諸経費に融資した融資高)
5.変額保険の運用に関する調査
(1)生保各社の変額保険の特別勘定の評価方法および時々の運用方針の内容、および、変額保険の特別  勘定の評価方法と運用方針についてのこれまでの大蔵省による規制ないし指導の内容
(2)保険料のうち一般勘定に組み入れられる各生保ごとの比率、および、毎年、特別 勘定から一般勘定 に組み入れられる比率
6.大蔵省が平成四年に第一勧業銀行および三菱銀行に対して実施した、株式会社カネシロが販売したペ アライフシステムへの両行の融資に対する、出資法違反の嫌疑による調査の内容について
7.平成八年七月に、あさひ銀行(旧埼玉銀行)の債務者が大蔵省に対して、あさひ銀行の行った融資は 逆迂回融資であるとして、調査の申し入れを行ったことを受けて、同八月に大蔵省があさひ銀行に対して 行った定期検査における調査の内容について
8.旧証取法第一七二条に基づく仲介について
(1)過去十年間の年度ごとの仲介申し込み件数
  当事者の年齢、職業、居住地等属性
  処理結果、解決内容
  商品、サービスごとの分類(例えば証券、投信など)
  申し立ての内容分類(例えば契約、販売方法、表示など)
  申し立ての多かった業者を30社、高順位から、社名と件数
  仲介についてどのような総括を行ったか、その報告書
  各年度ごとの報告書
9.過去十年間の首都圏一都七県の銀行関係の裁判の件数の推移
(1)銀行が原告となっている事件数の推移
(2)銀行が被告となっている事件数の推移
(3)変額保険についての裁判件数
 *銀行、生保ごとに提起年ごとの件数
 *審理回数の平均  
  *判決および和解の内容について

 いま一つ、今年になってから実現したのが住友銀行を相手取った紹介融資にかかわる損害賠償の訴訟であった。中坊公平社長が「紹介融資」をした金融機関の貸し手責任を問う訴訟を提起することを明らかにしたのは、九六年一二月のことであった。それから一年半の間、住管機構は数多く紹介融資の中から悪質なものをしぼり込み、母体行に対して損害賠償を求める交渉を重ねてきたのであろう。
 しかし、住友銀行との交渉は決裂し四八億円の損害賠償を求める訴訟にふみ切ったのだる。重要なのは、この訴訟が住専破綻と母体行の関係、特に後者のモラルと責任を問う性格をもっていることであろう。マスコミの多くもこの点に注目して論評を加えているが。代表的な経済紙である『日本経済新聞』の社説を次に紹介してみよう。「この訴訟はビッグバンが進出中で、金融業務のモラルとルールの明確化を求めている」と。
 訴訟の成り行きは、今後の金融機関の破綻処理にも少なからぬ影響を及ぼすものとみられており、注目したい。



● 予備的調査について
 当会は、会の発足当初から、バブル期における銀行の押し付け提案融資の被害の解明が不可欠と考え、被害の全容の解明を求めてきたが、今回、衆議院規則第五六条の三にもとづき、別 紙の内容について、超党派の衆議院議員四三名による「銀行、生保など金融機関の行き過ぎた営業活動による個人債務者、契約者の被害に関する予備的調査」が行われたことは、喜ばしいことである。
 しかし、これに対する報告書は四冊にわたり、厚さも十五センチの膨大なものであるが、内容は極めて希薄である。とりわけ金融監督庁、大蔵省の行政機関の回答ならびに大手金融機関の回答はいずれも、誠実さに欠けるものである。金融監督庁からの回答はほとんどが「文書保存期間が経過しており、当庁における存在を確認できない」「個人のプライバシーに関する事項であり、提出できない」となっている。文書保存期間が経過していても重要な文書の多くが保存されていること、調査を要請した項目がなぜ個人のプライバシーに関するのか明らかでないことをみると、金融監督庁には事実を明らかにしようとする姿勢は全くうかがわれない。
 また銀行の違法行為についても、例えば「出資法違反については捜査当局が取り締まりを行うものであり、金融監督当局の権限外の事項である」とか、さらに、検査についての報告を求めたのに対しても「検査結果 報告書その他の 検査の内容を開示することについては、金融機関やその取引先の経営に不測の影響を及ぼす恐れがあるほか、今後の検査において他の金融機関の十分な協力を得られなくなるおそれがあるから提出できない」との理由のもとに報告を拒否している。金融検査に、強制的な立ち入りも認められているなど、金融機関の協力なしに検査できる権限があるのに越智元金融再生委員会委員長の手心発言に相通 じるものがある。
 また、生保各社が販売している提携商品の調査についても、提携先金融機関名の記載がただ銀行、信用金庫などとなっており、個別 の金融機関名が明らかにされていないため、提携関係の実態をとらえることは不可能となっている。
 以上の点からも、予備的調査に対する監督庁および銀行・生保各社の回答はいちじるしく不十分で、責任を回避しようとする意図がうかがわれる。「金融被害」に対して誠意をかいたもの、といわざるをえない。
 この衆議院規則第五六条の三の予備調査は、薬害エイズの反省に立って、国権の最高機関である国会が、行政を監視するための役割を強化するための一環として設置されたものである。
 周知のとおり、国民の生命健康をまもるべき厚生省は、薬害エイズの発生の防止に全力を傾注すべきであったにもかかわらず、製剤メーカーの企業利益の擁護に腐心するあまり、それを怠って、多数の血友病患者に薬害エイズという悲惨な被害を発生させたが、一方、国会もこのような腐った厚生行政を正せなかったことに対する反省に立って、設置された。 この点については国会で上田清議員、佐々木憲昭議員とが追及し、山本富士銀行頭取、杉田第一勧銀頭取が報告書の再提出を約束した。
しかし、今回行われた予備的調査によって、従来は対外的には公表されていなかった保険審議会生命保険部会の議事録が提出されたし、この予備的調査を手がかりに更に被害の完全解明に迫っていく第一歩とするために、ひきつづき「議員の会」に要求を強めていくことがたいせつであろう。



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