■中小企業等金融債務者保護推進議員連盟(金融債務者保護議連)の第3回総会


 2012年4月11日、中小企業等金融債務者保護推進議員連盟(金融債務者保護議連)の第3回総会が衆議院第一議員会館にて開催されました。
 出席者は原口一博会長をはじめ、小泉俊明幹事長、中津川博郷議員など約10名ほどの議員が参加されました。
 第3回目となる議連総会は、RCC被害の実態を議員に直接知ってもらうことを主目的に開催され、まず今西憲之記者によるRCCの解説があり、その後3名の被害者の方に報告をして頂きました。
 まず、日光市の鬼怒川温泉で旅館を経営されていたMさんが、RCCから受けた被害の内容について報告されました。RCCはその業務内容の一つとして「企業再生」を行う、ということを謳っていますが、Mさんの証言は、その内実がいかにお粗末で非合理的、かつ理不尽なものであるかがよく分かるものでした。  特にRCCによる債務者に対する破産申立に関しては、破産を許可した宇都宮裁判所所長を含む4人の裁判官が、ホテルの破産事件に立ち会うという前代未聞の行為を行っていたことが判明し、その問題性は雑誌記事に取り上げられ、栃木県弁護士会も懲戒処分決議を行いました。RCCは本件以外にも、破綻した足利銀行の融資を受けていた鬼怒川温泉の多くの旅館・ホテルに対し競売申立を乱発し、歴史のある温泉街の賑わいを失わせました。RCCの「企業再生」は、鬼怒川温泉のケースをみても明らかなように、完全に失敗したというべきでしょう。
 次に港区のBさんのケースでは、連帯保証人に対するRCCの非人道的な回収の仕方が訴えられました。発端は、十六銀行によるBさんの会社に対する貸し剥がしでしたが、その後RCCに債権譲渡され、Bさん一家に資産があると踏んだRCCが連帯保証人であるBさんに破産申立を行ったのです。そもそも連帯保証人制度というのは、日本独自に発達した融資のあり方で、この制度自体を廃止すべきであるという声が昨今高まっています。にもかかわらず、RCCはその連帯保証人に対して、破産申立をしてまで徹底的に債権回収をしようとしているのです。しかも、RCCが債務者に対して破産申立をしたのは平成23年にはBさん1件であり、全体の債務者の0.003%なのです。このように、破産申立についての基準は全く恣意的なものです。破産は社会生活を営む上で厳しい制約をもたらすものであり、連帯保証人に対してまで行う債権回収というのはあまりにも理不尽と言わざるえません。
 最後は小樽市で建設会社を経営するHさんの証言で、やはりRCCの強硬な回収態度が露わになりました。そもそもHさんの会社が債務をもつことなったのは、北海道拓殖銀行の常務が、バブル時代にHさんにリスク説明なしに名義貸しによるリゾート用地取得を執拗にもちかけてきたことでした。しかし、その拓銀が破綻し、RCCに債権譲渡がなされたことで、そうしたことの経緯は全て無視され、とにかく返済しろと迫られるようになったということです。しかもその後のRCCとの交渉は、即決和解書の内容について口頭での説明と食い違う形での請求を受けるなど、極めて不当なやりかたで回収圧力を受けてきたことを訴えられました。融資元の銀行の破綻は、企業には無関係でありながら、債権がRCCに渡ってしまったこと、ただそれだけで健全企業でありながら破綻を迫られるというのは、不公平以外の何ものでもないでしょう。
 金融債務に苦しむ人たちは、日本の中小企業経営者には決して少なくありません。そのような人々がRCCをはじめとした回収企業から受けている実態を、議員をはじめ、より多くの人に知ってもらうことは、「借りた金は返せ」という言葉が時に理不尽な暴力であることを知ってもらうことと同義ではないでしょうか。                                                          (M・G記)