予備的調査要請書
 

 一.件名
銀行、生保など金融機関の行き過ぎた営業活動による個人債務者、契約者の被害に関する予備的調査要請

二.予備的調査の目的
変額保険・不動産共同投資をはじめとした、バブル期における銀行・生保など金融機関の行き過ぎた営業活動による個人債務者・契約者の被害の実態調査、ならびに大蔵省が、銀行・生保に対して、個人債務者・契約者の被害拡大を防止するために、適切な監督権限を行使していたかどうかの調査を行うことによって、銀行・生保ならびに当時の監督官庁である大蔵省の責任を明らかにする。

三.予備的調査の具体的内容
1)生保各社が、積み立て年金保険及び変額保険の一括払い保険料を金融機関のローンによって取り扱うことになった経緯について

  1. 右取り扱いについて生保各社から大蔵省に対して承認申請もしくは届け出がなされた時、及び承認申請の内容もしくは届け出の内容(提携金融機関名、ローンの金利、ローンの返済期間と返済方法、質疑設定・抵当権設定などの担保設定の条件)・・・「日産生命保険相互会社社長より大蔵省銀行局保険部長に宛てた承認申請書」参照(資料1)
  2. 右提携について、昭和六二年から半年ごとに生保各社から大蔵省へ報告された、生保各社の正式商品名、提携先商品名、提携先機関名、発売年月日、各生保の提携先金融機関ごとの昭和六二年以降直近までの月別 の販売件数と契約高・・・「提携商品の取り扱いについて」「現在販売している提携商品一覧」参照(資料2)
  3. 生保各社の支店が行った提携・連携について、支店ごとに、その正式商品名、提携先商品名、提携先機関名、発売年月日、提携先ごとの発売以降直近までの月の販売件数と契約高
  4. 変額保険に関して、行政に寄せられた苦情の件数と主な内容(国民生活センターおよび各大蔵財務務局ごとに分けて)
  5. 平成五年五月に大蔵省が、生保各社に寄せられた変額保険に関する苦情の件数と内容について生保各社から報告された内容(苦情件数と内容)・・・「大蔵省保険一課のヒアリング報告書」参照(資料3)

2)融資額五〇〇万円以上の大型フリーローンの販売に関して

  1. 大型フリーローンの販売に関して、各銀行から大蔵省へ報告された時期と報告の内容(正式商品名、商品の内容、販売年月日)
  2. 右ローンについての、大型フリーローン取り扱い開始以降現在までの、各銀行の月別 ・資金使途別の販売件数と契約高

3)大型フリーローンの被害に関して

  1. 変額保険に関して、昭和六一年から現在までの死亡保険金支払い件数と金額、また、そのうち自殺を原因とする支払いの件数と金額(一時払いの件数金額と、それ以外の払込方法の件数と金額)
  2. 現時点で、各銀行が保有している大型フリーローンの契約件数と融資残高
  3. 大型フリーローンに関して、各銀行の系列保証会社が代位 弁済している件数と金額
  4. 大型フリーローンに関して、各銀行の月別の競売申し立て件数(銀行本体によるものと、系列保証会社によるものとに分けて)
  5. 大型フリーローンに関して、東京地裁ならびに首都圏一都七県の地裁における裁判の件数(各銀行ごと、原告・被告の別 、裁判提起の時期、資金使途の別)と、裁判の結果

4)変額保険に関して大蔵省の認可指導にかんするもの

  1. 変額保険の認可にあたり、保険審議会で審議されたときの議事録、および、審議会に提出されたレポート、文献
  2. 一時払い変額保険についての大蔵省の調査の時期と調査の内容(各生保の月別 の一時払い変額保険の契約件数および契約高、ならびに、各銀行の変額保険の保険料に融資した月別 の契約件数と保険料およびその利息や諸経費に融資した融資高)

5)変額保険の運用に関する調査

  1. 生保各社の変額保険の特別勘定の評価方法および時々の運用方針の内容、および、変額保険の特別 勘定の評価方法と運用方針についてのこれまでの大蔵省による規制ないし指導の内容
  2. 保険料のうち一般勘定に組み入れられる各生保ごとの比率、および、毎年、特別 勘定から一般勘定に組み入れられる比率

6)大蔵省が平成四年に第一勧業銀行および三菱銀行に対して実施した、株式会社カネシロが販売したペ アライフシステムへの両行の融資に対する、出資法違反の嫌疑による調査の内容について

7)平成八年七月に、あさひ銀行(旧埼玉銀行)の債務者が大蔵省に対して、あさひ銀行の行った融資は 逆迂回融資であるとして、調査の申し入れを行ったことを受けて、同八月に大蔵省があさひ銀行に対して 行った定期検査における調査の内容について

8)旧証取法第一七二条に基づく仲介について

  1. 過去十年間の年度ごとの仲介申し込み件数
  2. ●当事者の年齢、職業、居住地等属性
    ●処理結果、解決内容
    ●商品、サービスごとの分類(例えば証券、投信など)
    ●申し立ての内容分類(例えば契約、販売方法、表示など)
    ●申し立ての多かった業者を30社、高順位から、社名と件数
    ●仲介についてどのような総括を行ったか、その報告書
    ●各年度ごとの報告書

9)過去十年間の首都圏一都七県の銀行関係の裁判の件数の推移

  1. 銀行が原告となっている事件数の推移
  2. 銀行が被告となっている事件数の推移
  3. 変額保険についての裁判件数
    ●銀行、生保ごとに提起年ごとの件数
    ●審理回数の平均
    ●判決および和解の内容について

 



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