私たちの主張

私たちは、政府および議員連盟に対し8つの要請をしています。これらが法律に反映されれば、銀行債務者の権利は大きく向上します。

それは私たち国民の、「幸福を追求する権利」の実現でもあります。

(1)PCCの解散

私たちの会は、バブル期の銀行の放漫経営が生んだ不良債権処理のために作られた、RCC(整理回収機構)の解散を要請しています。
議員連盟もRCCの存在意義はすでになくなったと主張しています。

法律によって設置された半官半民組織であるRCCが繰り返してきた非人道的回収は、たびたび不祥事として報道されてきました。他の民間回収会社の手法の悪しきお手本になってきたRCCが解散されれば、債権回収の方法は再検証され、現在のようなすぐに自宅さえも競売にかける横暴な回収は減っていくのは間違いありません。

(2)連帯保証人に対する取り立ての規制

借金をした本人ではない、連帯保証人の生活を脅かすような取立ては制限するべきです。

連帯保証人は、借入から何も利益を得ていません。にもかかわらず、債務すべてに責任を負う現在の仕組みは非合理的です。

金融庁も、平成23年3月以来、会社経営者以外の個人連帯保証を原則禁止とし、また、保証履行を求めるぱあいも、取立てが過剰にならないよう求めています。金融機関も、今後の融資に関しては金融庁の指導に従う意向をみせではいますが、既に連帯保証人となっている人に対しては、給与、自宅の差押さえなど、厳しい取立を行っているのです。

私たちは、既存の連帯保証人に対する取立も規制すべきであると考えます。少なくとも金融機関は連帯保証人に対する、破産申立や給与、自宅の差押えを絶対に禁止すべきです。

(3)二重ローン問題への有効な公的資金投入

東日本大震災から1年経った今も、二重ローンの問題はほとんど解消されていません。
政府はいくつかの対策を行ってはいますが、極めて不十分です。対策が進まない理由は、既存のローンの債務免除・債権放棄には金融機関の同意が必要だからです。これを迅速に行わせるには、公的資金を投入して、債務免除・債権放棄に同意した金融機関に報奨金や税制上の優遇措置を与えることが有効です。

これは2009年に米オバマ政権が公的資金7兆円を投入して行った方法で、サププライムローン問題に関わる債務者保護で大きな成果をあげました。

(4)片面的拘束性をもった仲裁機関の設立

残念ながら、今の日本の法律は銀行取引に関して、あらゆる側面で銀行有利・借り手不利となっています。そのため裁判で争っても勝ち目はまずありません。

現在は、裁判の前に、簡易な調停(ADR)での交渉が行えるようになっていますが、仲裁機関が和解案を出しても、銀行はそれに従う義務がないのです。そのため銀行は譲歩する必要がないと判断したばあい、和解案を蹴って民事裁判に移行すれば、銀行は和解などする必要がなく、100%自分たちの要求を通せるのです。

これでは本当の意味で実効的な和解の場とはいえません。そこで、銀行と個人の力関係の巨大な格差を解消するために、こうした仲裁機構の和解案を、銀行が拒絶できないようにするべきです。一方、債務者には、拒絶する権利を与えます。

これがイギリスで実施されている、「片面(へんめん)的拘束性」をもった仲裁方式であり、私たちはこうした債務者の立場に立った仲裁機関を求めています。