富士銀行被害者・武内眞弓さんの訴え
2004/07/17「連帯保証問題」シンポジウム
私たち一家を騙した銀行を許さない!

 私の父、武内猛馬は今年81歳です。母は78歳です。
 父は、13のときから盆栽家として修行をし、一定の評価を得てきました。
 父は、自分が親から引き継いだ土地を子供たちに残したいと願いました。
 しかし、まだ自分が生きているうちに、それも、全ての財産をみずほ銀行に取られてしまいました。

 現在、父は終の棲家も貯えも失い、精神を徐々に蝕まれつつあります。
それは、富士銀行(現・みずほ銀行)の人々に翻弄され、大きく人間性を傷つけられたからです。
 富士銀行の平成元年の融資量拡大営業は、よく知られているように銀行の常識を覆しました。
さらに、融資回収のとき、みずほ銀行員は平気で嘘をつく人々だと思い知らされました。
 昭和63年9月頃、富士銀行長原支店が新設され渉外担当の江口氏が訪ねて来るようになりました。
しきりに預金してくれと江口氏に頼まれました。
 そこで、昭和63年10月に富士銀行長原支店に新規口座を設けました。
 それからも、富士銀行の江口氏は毎日のように来訪するようになりました。
 当時、父は急激な土地の値上がりと税金の負担に将来への強い不安を抱えていました。そこで、土地の3分の1を売却しようと計画しました。
 それで、老後の安定した収入を確保するためのアパートを建てる計画を立てました。
 すでに、設計事務所が図面を作成し計画が出来上がっていました。
 それで、盆栽はもっと郊外に移動させ、再びお客さんに見てもらえるようにと考えていました。
 すると、富士銀行の江口氏は、その部分を美術館にするように提案しました。
 富士銀行が全面的にバックアップするから大丈夫と言いました。
 渉外担当の江口氏、融資担当の田村氏は、その方が相続対策になると言いました。
 平成元年12月、その時、父は66歳、盆栽業一筋で生きてき人間でした。
 美術館の運営については、知識、経験、資本の準備もありませんでした。
 しかし、富士銀行の融資額はなんと収入の200年分以上になりました。また、富士銀行は自宅の担保は、美術館建設が完成するまでの仮の抵当と言いました。妻、子供とその配偶者の連帯保証は形式的なものとも言いました。
 そして、銀行は一括して保証書を父に渡し皆に契約させました。
 美術館の運営を始めると、通常、入館料収入では事業が成り立たないということを知りました。
 富士銀行は私たちに何と言うことをしたのでしょう。当たり前のことですが、返済はすぐに行き詰まりました。
 もちろん、富士銀行は分かっていたと感じました。
 だから、自宅を担保にし、一家全員を連帯保証人に取ったのだと思いました。
 そして、富士銀行は、借り手と保証人の自宅を強制的に売却できるように、司法に駆け込みました。
 契約書に加筆し、嘘をつき、過去を捏造し、借り手を無権利状態にまで追い込みました。
 この契約は明らかに、借り手に不利益な内容のものであり、銀行が一方的に有利な結果があります。
 常識からすれば、一方的に有利なものが、不正や虚偽のない利益だと証明すべきだと考えます。
 しかし、司法の現状は逆です。
 自分が騙された取引に同意したことを、自分で証明しなければならないなのです。騙されることが明らかならば銀行取引をするはずがありません。
 平成15年8月に、全ての財産は強制競売にされることになりました。
 連帯保証人になった母の土地を含め、永年住み慣れた自宅を失いました。
 父が永年積み重ねてきた、盆栽家としての全てが破壊されました。
 銀行と契約した父は、銀行業界と自分の生きて来た世界のあまりの違いに苦しみました。
 誠実に生きてきた人々にとって、銀行のあまりの仕打ちに精神が耐えられなくなったのは父だけではありません。
 それでも、父は自らの命より、保証人にしてしまった、子供たちの行く末を心配しています。
 そこで、私はこのように実状を踏まえ、銀行法を改正し、保証制度を見直してして欲しいと考えます。
 平成元年当時、銀行法第十二条の二第二項があり、説明義務違反が違法行為とされ罰則があれば、被害は防げたと考えます
 現状では、この法律は罰則がないのでないも同じです。
 自宅を買うとき、宅建業法には説明義務と、業務停止命令の罰則があります。銀行との契約には、慎重に買った自宅も、生活も失うかも知れない危険があります
 それゆえ、説明義務違反、通知義務違反は違法行為とし業務停止命令の罰則を設けることを望みます。
もちろん、保証人などという、借金の方に、他人の人生を取る野蛮な制度は即刻廃止すべきです。
 しかし今、知識がないまま連帯保証人の立場におかれ、追い詰められている人がたくさんいます。
 私たちも、皆も、新しい立法を待っている一時の余裕もありません
 銀行が保証意思を確認しないことが非常にい多いことを踏まえ、ぜひ政治的に、債権放棄の指針を打ち出して欲しいと切に願っています。
 最後に、保証について、政府に調査要請書を提出し、銀行の資金の貸付けに関する適正化法案を提出し、私たち達の為に、多大な努力をしてくださっている、中津川議員に感謝の意をささげます。
ご清聴ありがとうございました。 

【武内眞弓さんが会場で配布したビラ】
◆我が家に不幸を携えてやってきた富士銀行員◆
    東京都大田区上池台/武内猛馬

【1】昭和63年秋、富士銀行長原支店が開設し、招きもしないのに渉外担当の江口氏が新規取引を勧誘、頻繁に自宅に入り込み、融資担当の田村氏と共に個人情報を集めたこと。

【2】平成元年、土地所有者の窮迫感を煽り、無知、無経験を悪用し、明らかに借り手に不利益であり銀行に有利な取引をさせ、借り手の自由な判断だったと取り繕う、自由取引の常識が狂った業界であったこと。

【3】保証人には銀行から説明どころか、銀行は、ほとんどの保証人に会わず、その上、意図的に保証人を欺いたこと。
   『裁判例においては,根保証契約によって保証人が過大な責任を負うことのないよう,当事者の意思解釈等を通じて,保証人が責任を負う保証債務の額について事後的に一定の限定を加えている』との法務省の期待を無視する判決を出す印鑑原理主義の足立氏のような判事がいること。

【4】銀行は、公共性の認識がなく、嘘、隠ぺいは罪のないセールストークとの認識の人間性の組織であることを前提に、銀行法の改正、保証制度の見直しをすること。

【5】銀行法第十二条の二第二項、銀行法施行規則第十三条は、現状ではないも同じなので、説明義務違反、通知義務違反は違法行為とし業務停止命令の罰則を設けること。

【6】エコノミーの基礎は家計です。保証人の責任を追及されている人々の生活の安定には今すぐ、個人へも債権放棄をする方針が必要であること。