ペアライフ・第一勧銀・三菱銀行被害者の会・
老沼恵美子代表の訴え

2004/07/17「連帯保証問題」シンポジウム

本人確認・意思確認をしないまま融資契約書の作成


多摩市の不動産会社は「快適生活空間の確保」と「資産作り」の二つの要素(ペア)を上手に使い分ければ、二つの夢が同時に手に入れる事ができる。このシステムは自宅などを担保に不動産購入資金を上回れる融資をうけさせ、その余剰金は預託金として、カネシロの子会社である、東京ファクタリングに預け、株などで運用し、購入者に利子を付けて償還するという仕組みである。
 購入し不動産は、第三者に貸し出されるため、賃貸料と、償還金を加えるとローン返済額を上回るはずであった。
 不動産は預託金の償還がおわる6〜10年後値上がりを見込んで、ローンの残金に見合う価格で買い戻す。賃貸料も実際よりかなり高い料金を保証していた。
 不動産や株の相場は冷え込んできた平成3年3月頃からし払いが遅れだし、購入者は返済ができなくなり、カネシロは事実上3年末には倒産した。
 融資をしていたのは、旧第一勧業銀行多摩桜ヶ丘支店、旧三菱銀行多摩・府中支店が大半、融資額は両行とも80億円前後。両行はこのシステムの融資に深く関わっており、勧銀は副支店長、融資課長がペアライフシステムを購入しており預託金があることも確認している。

 「見てほしい物件がある」とカネシロ社員に言われたのは平成2年4月頃の事。カネシロは母の死後母が引き継いでやってきた工場を閉め、アパート経営に切り替えたときの不動産業者だった。「見るだけなら」と母と一緒に二つの物件を案内されたのですが買うつもりはまったくなかった。事業用で買い換えたアパートのローンが28年、5000万も残っているからです。再三カネシロの社員がやって来て、弁護士・税理士・銀行員もやっている。それに銀行が融資するのだから心配ないと言われ物件に担保をつけて融資がおりるなら考えてもと思うようになった。
 最初は三菱銀行から融資を受けるという話でしたが、6000万しか融資できないというのでこの話は流れたと思っていた。平成2年6月12日21時過ぎカネシロが第一勧銀の融資課長と主任を連れ「ご挨拶に」と言って自宅に来ました。その際、何の説明も無しに申し込みがなされ、私が席を外している時に、母が視覚障害という事を良いことに、母の承諾を得ず白紙に金城社長がどんどん押印し、同席していた第一勧銀の行員も容認していたと言う。(後にカネシロ社員の証言で分った)この日に契約は全部済んでいなかったので、「もし融資がおりるようであれば銀行に行く事になる。その時にもう一度確認しようと」言っていた。融資がその二日後におりていたとは、一月程経って通帳を記帳するまで知らされる事はなかった。
 三菱銀行に至っては、行員の誰一人として本人確認・意思確認をしないまま融資契約の作成をさせ融資を実行した。しかも、6月12日の日にカネシロの社長の金城が、無断で白紙に押印し、それを勧銀の行員が容認していた事が後に分りました。銀行は、窃盗団よりも凄腕の犯罪集団。三菱自動車のように隠ぺいし続ける。そして、それに正義の味方のように装い形だけの裁判を行いお墨付きを与えているのが裁判所です。この凄腕の集団の二人三脚にでは到底敵わない。裁判所は公平で正義の味方と信じている一般の市民は蟻地獄に落とされていく。
 母は、緑内障による視覚障害者なので契約書などを読む事も書く事も出来ません。この件を心配しながら病に倒れ平成5年に亡くなりました。
 後に分ったのですが、遅くても平成2年4月には第一勧銀はカネシロの経営が傾いていと認識していて協力預金の解約を拒んでいた。最終的に第一勧銀は平成2年9月末15億円の協力預金は融資と相殺してしまった。
 カネシロのペアライフシステムは出資法違反の疑いがあるとみて警察も動いた。残念ながら強制捜査には至らなかった。私から事情を聴いた捜査員は融資契約書が一枚も手元にない事に驚いた。お客に契約書を渡せないような融資を繰り返した挙句カネシロ破綻のツケを顧客に転嫁した極悪非道な第一勧銀との裁判は敗訴。三菱銀行との裁判の判決もこの7月20日に出ます。「母にこの話が持ち込まれたのは、三菱銀行多摩支店長がカネシロの社長から転勤の餞別を受け取った翌日でした。その支店長の住まいは、偶然なのでしょうか三菱に担保に入れた戦前から所有し、昭和49年まで居住していた土地に境界を接しています。そして、何故か売り出される資料まで出来ていた。
 母は、父が急死し三人の幼い子供を抱え30代後半に未亡人になった時、取引銀行の行員は「会社経営を手取り足取り指導してくれた」と日頃から銀行に対して信頼を置いていた。そうした信頼を逆手にとって日本を代表する銀行が視覚障害の母を騙して融資をし、カネシロの不良債権を個人にツケ回収していた事は許せません。
 事業用の買い替えで買ったアパート・購入物権・仮登記のままで所有権が移転されなかった物件の三箇所が競売され、担保に入っていない自宅までも仮差し押さえされている。

                            東京都多摩市桜ヶ丘1−53−4
                                      老沼恵美子