★過誤払い被害者の訴え★

 私は藁にもすがる思いで銀行に行き、被害の回復をお願いしました。私が以前に届け出た
印鑑届の筆跡と、払戻請求書に犯人が書いた筆跡は全<異なる上、「斎」の宇が「斉」となって
いました。しかし、「何か疑問は感じなかったのですか」と尋ねても黙ったままで、何の謝罪も
なく、何の補償もありませんでした。
 私は冷たい対応にショックを受けました。眠れぬ日々が続き、抜け道のないうつ状態に落ち
込んでいるような気持ちです。銀行は預金者の大事な財産をどう思っているのでしょうか。同
時に郵便局の通帳も盗まれ、郵便貯金も不正払戻しされましたが、郵便局からは誠意ある対
応を受け、全額回復されました。この差はなんなのでしょうか。【被害者A】

 銀行に聞いたところ、私の通帳を盗んだ犯人は、不正払戻の30分前に残高を確認するため
ATMから1,000円を口座に振り込んでいることが分かりました。これは犯人らの典型的な行
動パターンの―つです。ATMで1,000円を振り込んだ直後、窓口でその口座の預金のほと
んどを引出すという極めて不自然な行動に、なぜ銀行は気付かなかったのでしょうか。
 私が被害に遭った通帳口座は、定年退職まで長年働いてきた退職金と、その後再就職した
給料を預け、生活費をそこから賄ってきた我が家の全財産です。被害に遭ってから私の生活
は一変しました。家族の生活は追い込まれています。
 その一方で、住宅ローンをその銀行で組んでいたため支払が遅れると督促が来ます。あま
りの銀行の非情さから、こんなことになるならローンを預金から一括して払っていればよかっ
た、という無念で諦められない気持ちでいます。【被害者B】

 私は警察で、ピッキング侵入窃盗による通帳盗難と不正払戻の多発を知り、大変に驚きま
した。新聞記事も見せてもらいました。また、鍵をかえてもらったときの鍵屋の話では「最近こ
の手の犯罪が多発している。犯人にとっては、普通の鍵であっても開錠も閉錠も至極短時間
で可能である。」ということでした。素人では防ぎようのない盗難被害なのです。
 そこで、銀行に対し、なぜ預金者に被害多発を通知しなかったのか、きちんと対応策をとら
なかったのか尋ねました。しかし、、「個々の預金者に通知をすることは莫大な費用を要し、事
務能力的にも無理である。」「したがって、当行としては責任な<、被害に遭った人の管理ミス
によるものであり、当行へ責任を転嫁することは全<の言い掛かりである。」という回答でし
た。私は唖然とし、預金者をないがしろにする発言にショックを受けました。【被害者C】

 私は銀行に、どのような本人確認を行っているか尋ねましたが、「印鑑照合のみで、その他
は一切確認していません。」との回答でした。でも、払戻請求書の印影は、2つの宇がつなが
っている、全体的に線が太いなど、明らかに偽造印影なのです。また、払戻請求書上の筆跡
も、明らかに私のものとは異なりましたが、「筆跡は見ていません」との回答でした。
 あまりの形式的な事務に驚くのみならず、銀行は、このような事件の多発を認識し、この支
店でも過去に過誤払い事件はあったというのです。しかも、銀行が入っている保険で私の被
害回復をして下さいとお願いしても、「正当な取引ですから応じられません。」と断られました。
 自分の大切な財産が、何の落ち度もないにも関わらずある日突然なくなる。これがどのよう
に事態を招きどのように人の心を傷つけるのか、銀行の人は考えたことがあるのでしょうか。
こんな不条理な世の中であっていいのでしょうか。【被害者D】