日本の印鑑社会はいったいどうなってる?
2003.2.27衆議院予算委員会第三分科会 第三委員室 午前9時30分〜(約30分間)
衆議院議員山田敏雅先生が金融被害者を苦しめている印鑑の問題について鋭く追及。本人が押してなくても署名とハンコさえあれば契約が成立するとみなされるのはおかしい。民事訴訟法
第228条4項は100年前にできた規定。現在の複雑な契約社会では不適切な規定であるから、絶対に改正すべきである!


民事訴訟法
第228条4項
私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定することができる。


山田先生:これは大変重要な重たい問題です。椎名弁護士の本「100万人を破滅させた大銀行の犯罪」にも書いてあるとおり、日本にはこの問題で苦しめられている被害者が100万人以上もいる。こんなに被害者を出しているにもかかわらず、印鑑の問題についての法律が消費者の立場にたって考えられていないのはおかしい。民事訴訟法第228条4項という規定がこんなに被害者を出しているにもかかわらず改正されないのは、法務省の怠慢にほかならないと思います。森山法務大臣、房村精一民事局長にお伺いします。民訴法第228条4項規定について、いつできたのですか?
房村民事局長:大正15年民訴法改定でもりこまれた規定です。日本の慣行にのっとっているものです。
森山法務大臣:本人の署名押印があれば通常の経験則にのっとり、成立したものと推定することができるというものです。
山田先生:この法律は、約100年前に真正に成立したもので、外国での概念とは大きく違う。印鑑を使うことと署名をすることとは違うと思います。ここに被害者の方たちがいるように、近頃増えたピッキングなどでは、持ち出した通帳と印鑑で本人の意思の確認もないままおろされてしまうという事件が多発している。他人が乱用したり、偽物をつくられたりしているのが現実です。これに対して森山大臣どう思われますか?
森山法務大臣:署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定することができるのが日本の慣行です。署名は直接本人が書く。ただ署名には鑑定など証拠として困難な点はありますが。
山田先生:では印鑑についての判例をみてみます。昭和39年の判決では、「印鑑が押してあれば、本人の意思に基づいて行われたとみなされ、民訴法は印鑑があれば真正に契約が成立したものと推定する」としています。しかし、この判断には問題があります。裁判所がする最高裁の判例であるから問題がないとするのはおかしい。例えば、ここに元商工ファンドの従業員の手記や被害者のケースを2〜3あげたいと思います。これをみると元商工ファンドの従業員は、こう証言しています。一人について20個以上の印鑑が押される。一人について実に20個以上です。誰が押すのかと申しますと、印鑑は商工ファンドの社員が押すのです。「印鑑については必ずといっていいほど私が本人から印鑑を預かり押してきました。印鑑を押す箇所が20箇所以上ありますので、押し間違えとか不鮮明とかで今一度いただき直しとかになると保証人様にわざわざまた書類の書き直しとかいうことでお忙しい時間を割いてご迷惑をおかけすることになりますので、ご印鑑をお貸しください」というのです。
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