青森銀行被害者・広田 香さん(横浜市在住)の訴え

2004/07/17「連帯保証問題」シンポジウム
ハンコも押したわけではないのに、何故?


 今回の一件があるまで、私は、銀行とは、もっと良識があるものと評価していました。
 しかし、現実には、世にいうサラ金業者と大差がないものだと、つくづく思い知らされました。裁判で負けた後の悲惨な現実は、まるで悪夢のようでした。
 自分自身の借金ではなく、何のハンコも押したわけではないのに、何故、いまこんなにも苦しい立場に追いやられてしまうのか……、本当に苦しい思いです。
 私達は確かに無知であったかも知れません。けれど、世間一般の常識であると言うほど、すべての人が、こう言ったことを理解しているのでしょうか?いろいろのケースがあると思いますが、恐らく多くの方々が、その仕組みを、よく知らず、知らないがゆえに、こんな事になってしまうのでは、ないでしょうか。
 ただ、知らないということだけで、家を取られ、家族間がメチャメチャにされるような生活苦を強いられるのは、余りにも重すぎる“刑罰”を与えられるようなもので、不当であると言わずにおれません。
 
 借金の担保となっていた家は、すぐに競売にかけられ、売却されているのに、その担保評価が銀行の見込み違いであるからといって、その責任がなぜ個人の上に乗せられてしまうのでしょうか?
 青森銀行は、借金の当事者ではない、私達夫婦の名義になっている家にまで、強制競売をかけてきました。
 私共の家は、すでに、住宅ローンの担保となっているのに、社会的信用さえ地に落とすこの様な行為が許されるものなのでしょうか? 万が一、家の競売が取り下げられても、自分達のローンの口座引き落としが使えなければ、今度は、そちらの銀行からも競売にかけられてしまいます。
 そうなると、今までは担保の対象にならなかった今回のことに何の関係もなかった私の実家の土地まで巻き込んでしまうことになるのではと、考えると、それだけで申し訳なく、胸のつぶれる思いがします。
 毎日のように、どうなっているのかと実家の方から聞かれるたびに、本当に押しつぶされてしまいそうになります。
 銀行の負債を回収するためなら、当事者のみならず、周りにいる人間を振り回し、どんな苦痛をあたえても構わない、そんな非人道的なことが、許されてよいものでしょうか。
 私共は、毎日のように納得のいかない思いから、ケンカになり、毎日ろくに眠れず、体調すらたびたびくずす様な日々を送っています。
 家を競売されても、給与の差し押さえをされても、いずれにせよ、一家3人の生活は成り立たず、一緒に暮らすことすら出来なくなるかも知れない、そう思うと不安で、どうすればよいのか、分からなくなってしまいます。
 私共には、10歳の子供が1人おります。子供は自分の力で、その生活環境を選ぶことができません。そんな子供にすら、こんなにも不幸なことを結果的に、強制する非人道的行為はとても許されることとは思えません。
 自分の親のこと、何よりも子供のことを思うと、本当につらく、今、こうして普通に人前で話すことの出来る自分を、いつまで保っていられるのだろうかと思うと、不安でたまりません。
 「お家、取られちゃうの?」と不安げに聞く子供の言葉が、片時も耳から離れません。
 どんなことがあっても、親として、人として、子供だけは巻き込みたくありません。当事者以外の者にも、こんなにも酷い仕打ちが及ぶことが、安易に判断できる状況の中で、人ごとといわんばかりの、これまでの行為が平気でまかり通る理不尽さが、私にはどうしても許せません。
 知らないということで、これだけの責任を負わされるのならば、銀行のこういった態度も問われてえよいのではないでしょうか。
 どうか、そうか、皆様のお力で、私の子供を助けて下さい! いやがらせの限りを尽くす銀行から自分たちを守るすべをお教え下さい。