「中小企業等金融債務者保護推進議員連盟」を支援する第2回緊急集会に参加して
        感想・手記 三菱銀行被害者 谷口知子
 

手記を発表した谷口知子さん
銀行の貸し手責任を問う会主催の第2回緊急集会が開かれた2012年6月26日は、国会から政変のニュースが流れた日でした。
 政権の民主党が自民・公明党の協力を得て、3党連携し、遂に消費増税が衆院通過しました。
 しかし、民主党議員の中にも、この不景気な時期に消費税の増税をはかるなど日本経済を破滅させかねいないことを心配し、反対票を投じた議員は、57名。棄権した議員も16名にのぼります。
 民主党のマニフェストを信じて、民主党政権の誕生に1票を投票じた国民から見れば、造反議員は、むしろ野田内閣とこれに賛成票を投じた議員の方だと思わざるを得ません。
 議員連盟の幹事長、小泉俊明衆議院議員は、当日、勇敢に反対票を投じて、緊急集会の会場に駆け参じて下さいました。
 権力を得ると驕り、反省がなくなり、その過ちの歴史を繰り返すのは怖いことです。高度成長後の金余り現象の解消に銀行は、詐欺的なテクニックで、過剰融資に走り、バブルを作りました。其の収束に中小企業は倒産、個人を破滅させました。
 大岡越前守裁判の「三方一両損」なら、むしろ素直に借り手の責任も感じ、たとえ裸になっても文句は申しません。、
 しかし、銀行との裁判では、銀行融資の動機が、銀行による騙しのペテン手法によったものであっても、借り手は証拠を持っていないために、圧倒的に借り手は不利な立場におかれています。
 本来、契約の当事者は、対等な立場にあります。しかし、銀行との契約書を見てもわかるように、借り手側だけが、署名捺印して、銀行に差し入れする契約です。銀行は、借り手には、さまざまな書類を要求してきますが、銀行側が署名捺印した書類を渡してくれることはほとんどありません
 銀行との取引は、はっきり上下関係にあり、不公平且つ、理不尽極まりないものです。しかも、銀行自らの責任で作った不良債権の処理についても、大手銀行は、こぞって政府の寵愛を受け、公的資金の投入を受けたばかりか、15年以上も、堅調な純益が出ていても免税、やっと最近、納税が再開されました。
 しかも、担保物件の処分後の債権回収の汚い手はRCCや金融サービサーに任せ、儲けた利益は口噤み、相変わらず卑怯な体質変わりませんね。
 強者に少しでも思いやりの心と、愛の血が流れていたら、……亀井静香衆議院議員が、金融担当大臣になった時、金融行政を金融債務者の視点に転換させることを明言されました。
 私たち、銀行被害者は、長年このことを訴えてきましたので、亀井大臣のこの発言に本当に嬉しかったです。そして、亀井大臣は、中小企業金融円滑化法を制定し、過剰債務に苦しんでいる中小企業のために、銀行への返済条件の変更などを求めることができるとしました。
 これによって、多くの中小企業が、銀行の返済に追われていたのを、本来の業務に専念できるようになりました。
 しかし、この円滑化法は、来年3月で、最終期日を迎えます。そうなると、中小企業の倒産は、かつてない規模になると危惧されます。たしかに、円滑化法では、中小企業などの過剰債務を抜本的に解消するわけではありません。
 抜本的に、解消するためには、銀行の貸し手責任を問う会が提唱している過剰債務の買取銀行の創設が一番よい方法だと思います。しかし、それが制定するためには、さまざまな仕組みの創設や予算がともないます。それができるまでの間、円滑化法を延長、中小企業の倒産を防止する必要があります。金融機関は、円滑化法は、悪法だと考えていますが、これまで、金融機関が、国や国民から受けた恩恵を考えるならば、円滑化法の延長を受忍するのは当然ではないでしょうか。それが、結果的には、日本の経済の蘇生につながると思います。
また、年間3万人を超える自殺者も防止出来ます。
 銀行被害者の一人として、巨大銀行三菱銀行と戦ってきたとして、銀行債務者の権利を守る法律こそ、一刻も早く改正されますように祈り、議員さんのご努力にひたすら期待申し上げます。
 この度、後藤君と中村さん(会員2世)二人の若いセンスで、カラフルで楽しいイラストや、漫画で解り易い素敵なパンフレットが作成され、配られました。
 銀行債務者の権利を守る8項目の趣旨が法令化され、モラトリアム(金融円滑化法)で,今、苦しむ多くの人達が延命され、経営が継続され、健全に再生させなければなりません。、有効なパンフレットの配布法、啓蒙活動を会員の各自のこれからの課題として胸に刻み、帰途に着きました。(了)