ノンフィクション劇場 |
進行役・東京芸術座俳優 |
2004年3月19日夜、東京・港区の赤坂区民センターで開催されたノンフィクション劇場『騙す
Part4』(大蔵省の国家的犯罪の巻)の上演会は深い感動と共感を呼び起こし、金融被害者たちに勇気と確信を与え、連帯の絆(きずな)を強め、大成功のうちに閉幕しました。ご参加、ご支援ありがとうございました。 銀行の貸し手責任を問う会&『騙す』PART-4上演実行委員会が主催した同上演会には、変額保険、日産生命、不動産取引など銀行、生命保険会社、証券会社から騙された金融被害者や支援者、消費者問題研究者、ジャーナリストらが参加しました。 上演会は今回で4回目。二部構成で、第1部は劇『騙す』、第2部は各界、オピニオンのリレートークによる訴えです。 第1部の劇『騙す』の上演時間は1時間50分。東京芸術座の俳優と変額保険・日産生命被害者とが共演しました。バブル以後、銀行・生保一体で勧誘した変額保険や日産生命などの金融商品が、いかに企画され、大蔵省がそれをどのような経過で認可し、銀行・生保がどんな手口で販売し、被害を激増させたか、その実態がリアルに再現されました。 |
自殺した父が娘に宛てた遺書を 代読する小田原美保さん |
銀行に対する激しい怒りと感動に包まれたクライマックスはラストシーンです。銀行に騙され、返済に窮し、自殺した父が娘・智子に宛てた遺書が朗読された時です。娘役の小田原美保さん(東京芸術座俳優)が、葬送の音楽が流れるなか、被害者の心情、心の琴線に触れる切々とした語り口で代読をしました。 「智子、迷惑をかけます。許して下さい。母さんが亡くなって二ヶ月足らず……」で始まる遺書を、一語一語怨念を吹き出すように、訴えかけます。 「悔やみきれないと言えば、変額保険に入ったこと自体がそうでした……」 目頭が熱くなり、しずくが頬を伝い、会場のあちこちからすすり泣きの声が聞こえました。被害者の怒りの魂が一つに解け合った被害現場の再現であり、圧巻のシーンでした。 |
挨拶する野田正穂・代表世話人 |
銀行・生保による過当勧誘と常軌を逸した過剰融資、貸し手責任を放棄した銀行による強制競売の非情さ、旧大蔵省など国の行政責任の大きさが浮き彫りになった迫真のドラマでした。 第2部は銀行の貸し手責任を問う会代表世話人・野田正穂法政大学名誉教授の挨拶で始まりました。野田代表世話人は、融資一体型変額保険被害者15氏が、旧大蔵省の行政責任を明らかにするため起こす国家賠償訴訟を、同会として、全面支援することを初めて提起しました。 野田代表名の「国賠訴訟へのご支援のお願い」の文書(←クリック)を発表しました。 |
各界リレートーク出演者 |
続いて、リレートーク。当会世話人の志賀寛子さんが司会をし、被害者、国会議員、銀行員、ジャーナリスト、消費者問題研究者、融資一体型変額保険国賠訴訟原告の会など各界報告者13人(←クリック)が発言しました。 13人は、金融被害者の激増は銀行だけでけでなく、旧大蔵省、金融庁の金融監督行政に問題があると指摘。国の金融行政は、大銀行・大生保・大企業を優遇し、個人消費者や中小企業には冷たく、借り手だけに責任を問う内容であり、被害の多発と救済責任の放棄、被害の野放しは、薬害エイズ事件の被害構造と同じであり、旧大蔵省&金融庁の犯罪だと断罪しました。 政党を代表して海江田万里衆院議員(民主党)、佐々木憲昭衆院議員(共産党)が激励の発言をしました。 |
当会事務局長・椎名麻紗枝弁護士 |
上演会参加者は、1部、2部を通し、多くの金融被害者の救済と再発防止のためには、国家賠償訴訟を起こし、広く国民的運動にしていくことが喫緊に重要であるとの認識と確信を強めました。 その一環として、銀行の貸し手責任を問う会は、「金融被害者怒りの手記第4集」(続・裁判所編 不当競売編)<発行2004年3月19日>のパンフレットを劇『騙す』の上演と合わせて発刊。パンフには28人の被害者の被害体験が掲載されています。貸し手責任問う会事務局長の椎名麻紗枝弁護士は同パンフの普及(※)と貸し手責任を問う会への入会を要請しました。 |
新刊・怒りの手記第4集 |
上演会には、衆院議員の阿部知子、五十嵐文彦、生方幸夫、河村たかし、佐々木憲昭、中津川博郷、長浜博行の7氏、参院議員の福島みずほ、中村敦夫、小川敏夫、緒方靖夫、大沢たつみ、いわさ恵美、井上哲士の7氏がメッセージを寄せ、被害者&参加者を激励しました。 |