《さる2005月6月4日、銀行の貸し手責任を問う会は東京と大阪で金融サービサー被害相談・電話110番を実施しました。酷い取り立ての実例が各方面から寄せられました。現在、精査・分析中です。その一端をビジネス情報月刊誌で知られる「エルネオス」7月号が「情報スクランブル」蘭で報道しましたので、紹介致します。同誌はエルネオス出版社(東京・西新橋1丁目:電話03-3507-0323)が発行するもので「健全な社会の維持、成長するために果たす企業の役割の重要性」を訴えています。巻頭言の紺谷典子さんの「賢者に備えあり、国民は騙せても株価は騙せない」など至言に富んだ評論が注目を引きます》

■ビジネス情報月刊誌「エルネオス」2005年7月号
 金融サービサーが商工ローン並みの取り立て

 「岡山県倉敷市に住むいとこに、他の目前で貸していた印鑑で、勝手に一億五千万円の借金の連帯保証人にされた。裁判に訴えていたその最中に、相手の信用組合が破産。債権を買い取ったRCC(株式会社 整理回収機構)から、岡山の貸家、東京の自宅まで競売にかけられた。『自宅を残したかったら、一億円払え』と言う」(76歳=東京在住)
 「目玉を売れ」、「肝臓を売れ」で話題をまいた商工ローンの取り立てではない。目下、話題の渦中にある「金融サービサー」(債権回収機構、債権回収会社)の執拗な取り立ての一例なのだ。去る六月四日、弁護士ら「銀行の貸し手責任を問う会」(椎名麻紗枝法律事務所=東京・永田町)が、「金融サービサー被害相談・電話110番」を実施、このような相談が一日に五十五件も寄せられた。
 もう一例。都内に住むAさんが、事業資金としてM銀行から一債円の
融資を受けた。やがて会社が倒産し、くだんのM銀行は、Aさんが抱える負債一億円をB債権回収会社に売却(金額は不明)。それから容赦のない取り立てが始まった。
 生活の糧にと、A夫人が過に一回、病院でアルバイトした賃金も差し押さえられた。さらにA夫人に「家計簿」を提出させ、「子供の塾通い、ピアノ練習は贅沢」とまでねじ込んでくる始末。
 「金融サービサー」は、バブル崩壊後、不良債権の処理策として、1999年、「債権管理回収業に関する特別措置法」に基づいて誕生。RCCをけじめ、金融サービサーは、外資系、銀行系、消費者金融系など、ざっと九十社を数える。しかし、内部では数多くの問題も抱えている。
 国会でも言及されたが、RCCは、出し殼になったような無担保債権を一律一千円で、現在まで六千三百四十二件を買い取り、百十二債円を回収している。ざっと一千七百倍ものポロ儲けをした計算になるのだ。
 七大銀行・金融ダルしフの二〇〇五年三月決算期での貸し出し総額に占める不良債権の割合は二・九%。三年前のハ・四%に比較すると半分以下に激減。しかし、こうした不良債権処理の背景には、金融サービサーの無理な取り立てが横行していることも見過ごすわけにはいかない。
「被害者・110番」を実施した椎名名麻妙技・弁護士はこう提言する。
 「金融サービサーは、支払えない連帯保証人にまで脅辺まがいの取り立てを行っている。債権回収会社は、少なくとも銀行から債権をいくらで買ったのか、法律で情報開示するように定めるべきだ」
 ここ数年、年間の自殺者は五十代をピークに約三万人に連する。そのうち八千人に及ぶ自殺の理由が、経済的な問題である。金融サービサーの強引な取り立てと無関係なのか。