■本人が知らない間に金融機関は勝手に口座つくっていいのか!?
 衆院財務委員会で佐々木憲昭議員が質問
 高齢者を騙した甲府信用金庫の乱脈融資を実例に 
  金融庁の信金に対する監督責任を厳しく追及

【答弁】
五味広文・金融庁監督局長
「本人確認のない口座開設は、(問題当時も)通達違反」
竹中平蔵大臣「金融機関はコンプライアンス(法令順守)の固まり。疑いのある事案があれば報告を求め、対応していく」
 甲府信金被害者・古屋嗣雄(ツグオ)さん81歳の怒りの談話(←クリック)

「山梨日日新聞2004.3.31付」の報道記事内容(←クリック)


質問する佐々木議員
 本人(古屋嗣雄さん)が知らない間に、甲府信用金庫(今井進・理事長←クリック)が無断で口座を開設し不正融資をしていた!――信金・信組の乱脈融資の驚くべき実態が2004年3月30日の衆院財務金融委員会で明らかにされました。
 明らかにしたのは、日本共産党の佐々木憲昭衆院議員。同議員は竹中平蔵・経財大臣や五味広文・金融庁監督局長を相手に厳しく迫りました。
  【佐々木質問の内容】
 佐々木議員は、「甲府信金では、融資をおこなうさい、あるいは預金口座を開設するさいに、本人確認を怠(おこた)ってトラブルになる事例が相次いでいる。そのなかには、支店長が第三者と共謀して迂回融資した疑いのある事案まである」として、集中的にとりあげたのは、山梨県甲府市に住む古屋嗣雄(ツグオ)さん、芳子さん親子の実例です。

配付資料を見ながら佐々木
質問に聞き入る竹中大臣
 この不正事件が始まったのは1995年(平成7年)のことです。
 当時ツグオさんは74歳でした(現在81歳)。長いあいだ、地元で「スーパー」を営んでいました。
 このスーパーは、隣接する長屋で店舗を4軒貸していました。そこへ当時、娘の芳子さんがつき合っていた造園業を営む社長(Nさんという)が、スーパーと長屋を解体してビルに建て替える話しを持ち込んできたのです。
 ツグオさんは、建て替えのための書類だというN社長の言葉を信じて、言われるままに、たくさんの白紙の書類に署名、捺印をしました。
  この書類が後々一連の不正融資に使われることになったのです。
 N社長は、ツグオさんに無断で、勝手に預金口座を開設したのです。
 (佐々木議員は証拠資料を配布した上で質問を続行→)これが、N社長がつくった預金口座の取引明細書です。甲府信金塩山支店が発行しました。

答弁する金融庁幹部
 預金口座の名前を書く読み方欄を見ると、「フルヤツギオ」と間違った名前になっています。
 古屋さんの名前の正しい読み方は「フルヤツグオ」なんです。これだけでも、第三者の筆で書いたことが一目瞭然で分かります。本人がつくった口座なら自分の書く名前の読み方を間違うはずがないからです。
 この無断に作成された仮名の預金口座が、嗣雄(ツグオ)さんが全く関知しないところで、不正融資に使われたのです。
 スーパーの建て替え話は実行されませんでしたが、融資は、「店舗・借家解体資金」として、1996年(平成8年)9月2日に実行されました。
 1200万円の融資申込書を見ると、職業欄に「汲ワるいち代表」とありますが、正しくは「旧テ屋商店代表」です。社名まで間違っているのです。
 

傍聴する山梨金融被害者と支援者
 これも、本人が書いたのなら、絶対に間違うはずのない部分です。
 また、「融資申込書」の題字の下に「専決」の文字があります。つまりU支店長が、支店長専決で実行した融資です。
 本人確認もしないで勝手に口座をつくり融資をする。その融資した金は、N社長が自分の会社の資金として使ってしまっているのです。
 これは、法令やガイドラインに違反していることは、明々白々です。

金融被害者と懇談する佐々木議員
  【政府側の答弁】
 佐々木議員が「金融庁としてきちんと調査をし是正すべきだ」と追及したのに対して、金融庁監督局の五味広文局長は「本人確認のない口座開設は、(問題当時も)通達違反。同信金からは事情を聴いている」、竹中大臣は「金融機関はコンプライアンス(法令順守)の固まり。疑いのある事案があれば報告を求め、対応していく」と述べ、“一般論として、法令違反があれば調査のうえただします”と答弁しました。
 甲府信金による無断口座開設・不正融資事件の被害者
 古屋嗣雄(ツグオ)さん81歳の怒りの談話

 私の名前を何の断りもなく使い、口座を無断で開設した上、不正融資に利用した甲府信金の悪徳を絶対に許さない!国会で佐々木憲昭議員が私の腹から煮えかえるような怒りを初めて取り上げてくれました。胸のすくような質問に大いに励まされ、感謝でいっぱいです。金融庁の五味局長は「本人確認のない口座開設は、通達違反」、竹中大臣は「疑いのある事案があれば報告を求め、対応していく」と答弁されたが、この言葉通り、一日も早く、甲府信金の悪行を正す行政指導を実行して欲しいとお願いします。
 甲府信金は、私ら高齢者を騙しておいて、「地域貢献」とか「より健全で強固な経営」などとしきりに宣伝していますが、空疎で空文句に過ぎません。怒り心頭です。